現代社会は、コンビニやスーパーなどで手軽に美味しいものを購入できる飽食の時代。お惣菜や冷凍食品など、どれをとってもハイクオリティなものが並んでいます。しかし一方で、多くの現代人を悩ませている問題が「生活習慣病」です。そんな現代社会において、昨今、「腸活」や「ファスティング」といった、身体の内側から健康を目指すライフスタイルが注目を集めています。20代から50代の首都圏に住む女性3000人を対象に行ったデータによると、なんと4割の方が「腸活をしたことがある」という結果に※1。本記事では、腸活の効果やファスティングについてわかりやすく解説していますので、少しでも興味のある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。腸活とは?近年、SNSや雑誌などで紹介されている「腸活」。読者の方の中にも、ご存知の方がいるかもしれません。腸活とは、腸内環境を整えて心身の健康を維持する活動のこと。その具体的な方法として「バランスの良い食生活を心がける」「適度に運動する」「良い睡眠をとる」などが挙げられます。そして腸内環境を整える上でもっとも大切なのが、腸内細菌の存在。腸内にはおよそ1000種類の細菌が100兆個生息しており、これらのバランスが私たちの健康状態に大きく関わっていると考えられています※2そもそも腸内細菌って?腸内細菌とは、腸の中にいる細菌の総称のこと。その分類は大きく3種類に分けられています。1.善玉菌・・・ビフィズス菌や乳酸菌など。悪玉菌を抑制し、腸の働きを活発にする働きがある。2.日和見菌・・・善玉菌にも悪玉菌にもなる中間的な細菌。3.悪玉菌・・・大腸菌やブドウ球菌、ウェルシュ菌など。有害物質を発生させたり、便の排出を悪くしたりする。腸内はこれらの細菌が密集しており、その様子がお花畑(フローラ)に見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。これを見ると「善玉菌だけでいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。たしかに善玉菌が多いことに越したことはありませんが、個人差はあるものの善玉菌・日和見菌・悪玉菌の理想的な割合は「2:7:1」とされています。腸活に期待できる効果では、腸活の具体的な効果にはどのようなものがあるのでしょうか。以下では「腸活」による代表的な効果を3つ解説します。便秘の改善腸活をすることで期待できる健康効果の1つに、便秘の改善があげられます。上述したように、腸活とは腸内環境を整えること。そして便秘は、悪玉菌の増殖による腸のぜん動運動(腸が活発に動くこと)が妨げられることが主な原因です。善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を積極的に摂取することで、腸内は善玉菌にとって住みやすい酸性に保たれます。その結果、悪玉菌が抑えられ腸のぜん動運動が活発になり、便秘の改善に繋がります。精神が安定する腸活には、精神の安定効果も期待できます。それに深く関わっているのが「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン。セロトニンが不足すると、イライラや気分の落ち込みなど、日常生活においてさまざまな支障が生まれ、健康的な毎日が台無しになることも。また、セロトニンのおよそ80%が腸内に存在していることがわかってきています※3。そのため、腸活で腸内環境を整えてセロトニン分泌を活性化させることで、精神の安定にも繋がります。眠りが深くなる腸内環境は良質な睡眠にも影響しています。私たちが摂取するたんぱく質を分解するのも、腸内細菌の大きな役割。腸内細菌がタンパク質を分解・合成すると、アミノ酸の1種「トリプトファン」が生成されます。トリプトファンは眠りを誘うメラトニンというホルモンの材料です。そのため腸内環境が改善されると、トリプトファンの生成効率がよくなるため、良質な睡眠がとりやすくなると言われています。腸内環境に大切な食事とは?腸活の方法には「食事」「運動」「マッサージ」「生活習慣の改善」「ストレスケア」などがあります。しかしこれらを1度で覚えるのは至難の業。そこで今回は、腸活で意識すべき食事方法に絞って解説します。発酵食品を積極的に腸内環境の改善には、善玉菌を増やすことが大切。善玉菌は悪玉菌の働きを抑制し、有害物質の発生も軽減してくれます。そこで活躍するのが発酵食品です。善玉菌を多く含む食材には次のものがあげられます。・納豆・キムチ・ヨーグルト・チーズ・味噌毎日1つでも良いので、これらの食品を意識して摂ってみてください。善玉菌のエサとなる食材も大切善玉菌が活発に働くためにはエサが必要です。以下の食材は腸内において善玉菌のエサとなる食材なので、以下の食材を合わせて摂ると効果的。・コンブやわかめなどの海藻類・しめじやエノキなどのきのこ類・芋類・ゴボウなどの食物繊維を豊富に含む食材運動やストレッチにハードルの高さを感じてしまう方には、まずは普段の食事を改善することから始めてみてはいかがでしょうか。腸活と合わせて覚えておきたい、ファスティングとは?腸活に加えて、近年注目されている健康法に「ファスティング」があります。ファスティングとは日本語で「断食」のこと。断食と聞くと厳しい修行をイメージしがちですが、現在では、おもに過剰な食事摂取を控えることで消化器官を休め、病気の改善や予防を図る健康法のことを言います。ファスティングのメリットファスティングにはさまざまなメリットがありますが、その大きなメリットの1つとして、「消化器官が持つ本来の機能を取り戻す」ことがあげられます。というのも、毎日3食を食べている私たちの消化器官は常にフル稼働。個人差や男女差はあるものの、人間の身体は、消化活動に約1600キロカロリーを費やしていると言われています。これはフルマラソンで消費するカロリーとほぼ同じ消費量です。ファスティングはフル稼働している消化器官を休ませ、有害物質を排出する機能の回復も期待できます。ファスティングの種類は?一口にファスティングといっても、その種類はさまざまです。ファスティングの代表的なものとして「1日おきファスティング」や「3日間ファスティング」などの日数を決めて行うやり方や、準備期間と回復食を取り入れて行うファスティングがあります。そのなかでも、初心者の方におすすめのファスティング方法は「間欠的ファスティング」。間欠的ファスティングとは、1日の最後の食事から14時間から16時間「食べない時間を作る」ファスティングのこと。この方法は他のファスティングとは違い、食事が摂れるので、ファスティングに初チャレンジする方には間欠的ファスティングがおすすめです。医師の石黒成治先生も推奨しているやり方なので、動画を見ながら詳しいやり方を参考にして、試してみるのも良いかもしれません※4。ファスティングする際の注意点優れた健康法として注目されているファスティングですが、そのやり方にはいくつかの注意点があります。とくに以下に当てはまる方はファスティングを控えてください。・成長期のお子さんや高齢者の方・妊娠中または授乳中の方・体重が軽すぎる方また、ファスティングする際には、次のことにも心がけるようにしましょう。・十分な水分補給(1リットルから2リットルが目安)をすること。ノンカフェインが望ましい。・塩分などのミネラルをきちんと摂取すること。・体調管理をしっかりと。可能な限り専門家の指導のもとで行い、めまいやふらつきがある場合は中止すること。ファスティングする際には、以上のことを意識して、無理なく取り組んでみましょう。今回のまとめ腸活とファスティングについて解説しました。複雑化する現代社会では、食生活も乱れがちです。手軽に食べられるファストフードやコンビニ食は便利である反面、腸内環境を悪化させる恐れも・・・。腸内環境の乱れが多くの病気の原因とされ、医学的研究も次々と行われています。若々しく、より健康的な人生を送るためにも今回の記事をきっかけにして、腸活やファスティングを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。★MiCORAY ピックアップ★中屋商店株式会社メタボリックcho'rism参考資料※1 一般社団法人日本健康食育教会調べ※2 厚生労働省e-ヘルスネット腸内細菌と健康※3 めぐろ駅東口メンタルクリニック※4 youtubeリンク石黒成治医師による間欠的ファスティング解説クラシエデトックス効果も期待のゆるファスティングで腸を整えよう万田酵素腸活のやり方腸内フローラを整える腸活の効果的な方法とは健栄製薬便秘の解消に!断食や今流行りのプチ断食の効果についてビオフェルミン製薬腸内フローラを整える方法!腸活!鳥取大学広報誌知っておきたい正しい腸活サントリーウエルネスonline腸活とは?期待される効果と方法を解説朝日新聞デジタル腸活とは?メリットやおすすめの食事・運動・マッサージ方法を紹介