運動をすることで爽快感を感じ、スッキリとした気持ちになったことはありませんか。体の健康のためにも重要な運動ですが、心の健康にも大きく影響を与えます。運動をすることで、脳内のホルモンが活性化し、幸福感を感じることができるのです。幸福度を上げるためには、ただがむしゃらに運動をすれば良いわけではありません。脳内のホルモンが活性化しやすい運動方法があるのです。幸福度をあげるための正しい運動方法を知って、楽しく元気な毎日を過ごしましょう。運動をすると分泌される「幸せホルモン」私たちの脳は、100種類以上の神経伝達物質を分泌する力を持っており、メンタルヘルスに大きな影響を与えるものも多く存在します。その中でも、「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質は心を楽しく元気にしてくれます。運動をすると、幸せホルモンが多く分泌され、幸福度が上がっていきますので、心の健康のために、日常生活に運動を取り入れましょう。運動によって分泌される幸せホルモンは、ドーパミン、セロトニン、エンドルフィンの3つが代表的です。ドーパミンやセロトニンは、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ドーパミンは欲求や快楽をつかさどる神経伝達物質で、多く分泌されると、やる気や集中力を高め、仕事や勉強の生産性を上げ、ポジティブな気持ちになることができます。セロトニンは精神を安定させる働きがあり、心を落ち着かせ、リラックス状態にすることができ、ストレス解消の効果もあります。エンドルフィンは「体内で分泌されるモルヒネ」とも呼ばれるそうで、気分を高揚させ、痛みを緩和させてくれる働きがあります。それぞれの働きにあった効果的な運動を行い、幸せホルモンを活性化させましょう。ドーパミンを分泌させる有酸素運動ドーパミンを分泌させる運動は、ランニング、ウォーキング、サイクリング、水泳、エクササイズ、なわとびなどの有酸素運動です。ドーパミンは酸素を取り入れながら体を動かすことで分泌されるので、有酸素運動が最も効果的なのです。有酸素運動を行うと、ドーパミンが分泌され、やる気と集中力を高め、記憶力を向上させることができます。効率よくドーパミンを分泌させるためには、適度な負荷をかけることが大切です。息が切れるほどのきつい運動は、筋肉が疲れて体力を消耗してしまい、長く続けることができないので、行わないようにしましょう。逆に負荷が軽すぎると、酸素がうまく取り込めないので、血流がスムーズにならず、ドーパミンがうまく分泌されません。呼吸が少し早くなり、少し辛いと感じる程度の有酸素運動が効果的です。また、音楽を聴くことでもドーパミンの分泌を促します。好きな音楽を聴きながら、有酸素運動に取り組んでみましょう。音楽を聴くことで、興奮状態に陥り、有酸素運動のペースが早くなってしまう可能性があります。ペースを早め過ぎないように注意しながら行うようにしてください。また、ヨガやピラティスも有酸素運動と同じ効果が得られるそうです。自分に合った有酸素運動を選択し、ドーパミンの分泌を活性化させましょう。セロトニンを分泌させるリズム運動セロトニンを分泌させる運動は、リズム運動です。リズム運動は、一定のリズムを繰り返す運動のことを言い、ウォーキング、ランニング、エアロバイク、ダンス、踏み台昇降などがあります。また、一定のリズムで行うスクワットなどの筋トレも同じ効果があります。リズム運動を行うことで、セロトニンが分泌され、気分が良くなり、質の良い睡眠を行うことができます。セロトニンは、20〜30分をピークに分泌され、ピークの状態が1時間半〜2時間ほど続くそうです。疲れすぎてしまうと分泌が減ってしまいますので、疲れない程度で行うようにしましょう。1回20〜30分を目安に集中して、継続的に行うことが大切です。3ヵ月以上続けることで、セロトニンを分泌しやすい体を作ることができます。1日30分以内であれば、忙しい社会人の方でも続けることができそうですね。コミュニケーションを取ることでも、脳は活性化します。誰かと一緒にリズム運動をすることで、セロトニンの分泌が増えますので、家族や友人を誘ってみましょう。また、日光を浴びることでセロトニンを効率的に分泌させることができます。天気の良い日は朝出かける前に、外でウォーキングやランニングを行うのも良いかもしれません。より多くのセロトニンを分泌させるために、無理のない範囲のリズム運動を毎日続けましょう。エンドルフィンを分泌させるランニングエンドルフィンを分泌させるためには、ランニングが効果的です。「ランナーズハイ」という言葉を聞いたことがあったり、経験したことがある方も多いのではないでしょうか。ランナーズハイとは長く走ることで、エンドルフィンが分泌され、快適で幸せな気持ちになることができます。ランナーズハイを感じるためには、会話がギリギリ行える程度の軽く息が上がるスピードで、できるだけ長距離を走るようにしましょう。苦しいと感じたとしても、諦めずに継続することで感じやすくなるそうです。また、エンドルフィンは麻薬のような働きがありますので、疲労感を麻痺させることができます。走り始める前の疲労感が、走っている間にエンドルフィンが分泌されることによって、感じづらくなるのです。筋肉痛や関節の痛みも、走っているうちにだんだん軽くなることもあります。エンドルフィンの効果によって感じなくなっているだけなので、過剰に走りすぎると、痛みや疲労感が一気に襲ってくる可能性があるので注意してください。またランニングには、脳機能をアップさせることができるBDNFの分泌も活性化するそうです。BDNFは、記憶力向上や学習能力アップなどの効果があり、脳の老化を予防することができます。ランニングはハードルが高いと言う方は、少し早いウォーキングでもエンドルフィンは分泌されます。少し息があがるくらいのスピードで、股を大きく広げることを意識してウォーキングをすると効果的です。ランニングによって、エンドルフィンを多く分泌させ、ランナーズハイを感じてみましょう。毎日の運動で幸せホルモンをたくさん分泌させよう幸せホルモン別の運動方法について、紹介しました。たくさんの運動方法の中で、続けられそうなものを選んで行ってみましょう。すべてのホルモンを活性化するためには、ランニングとウォーキングが最も効果的です。どちらも何も道具を使いませんので、すぐに始めることができそうですね。運動をしたいけれど、忙しい社会人の方や時間が取れない人は、1駅ウォーキングから始めてみるのもいいでしょう。朝出勤前に1駅先まで歩いて電車に乗る、または帰りに1駅前で電車を降りて歩くというものです。また、駅でエスカレーターやエレベーターの代わりに階段の利用を心がけるのも効果的です。仕事で溜まったストレスを幸せホルモンによって、発散することが可能です。無理のない範囲の運動を生活の中に取り入れ、毎日をハッピーに過ごしましょう!