大人の習い事として大人気のヨガですが、女性だけではなく、最近は男性が始めることも多いそうです。ヨガには、体の健康だけでなく、メンタルヘルスにも効果があることをご存知でしょうか。ヨガの本来の目的は、心の安定を目指すことで、体を使って心を整えることもできるのです。また、瞑想はヨガの大切な要素の1つであり、スティーブジョブスやビルゲイツも瞑想を実践していたそうですよ。ヨガと瞑想を行い、体の健康だけでなく、心の安定も手に入れましょう!ヨガとは心のはたらきを制止すること歴史上最も古いヨガの教典である「ヨーガスートラ」には、ヨガの定義について「ヨーガとは、心のはたらきを制止することである」と書いてあります。現代に置き換えると、職場でのトラブルなどでストレスフルな出来事があると、心が乱されてしまいますよね。ヨガを行うことで、心が乱されるような出来事があったとしても、心のはたらきを制止し、冷静な心で対応できるようになっていきます。「アーサナ」と呼ばれるヨガのポーズにも、心を安定させるために、瞑想できるような姿勢をとるという意味があります。ヨガの練習を重ねていくと、手のひらに自分の心をのせて眺めているような感覚になり、自分を客観視できるようになるそうですよ。心の動きに自分自身が飲み込まれたり、左右されなくなり、感情の些細な動きを観察できるようになっていきます。ヨガはダイエット効果や柔軟性アップに注目されがちですが、本来の目的は、心の安定を目指すことなのです。『ヨーガ・スートラ』和訳ノートヨガのメンタルヘルス効果とはヨガは、体を使って心を整えることができ、さまざまなメンタルヘルス効果があります。まず1つ目は、心を落ち着かせる効果です。心が落ち着いていない状態は、呼吸がうまくできておらず、脳がしっかりと働いていません。ヨガのポーズと呼吸を行うことで、神経が研ぎ澄まされ、心をスッキリとさせることができるでしょう。次に、イライラした気持ちを鎮めることができます。イライラしている状態になると、その原因についてずっと意識してしまいますよね。ヨガの呼吸法を行うことで、イライラした気持ちを鎮め、気持ちを切り替えることができます。最後に、集中力を高める効果です。ヨガを行うことで気持ちがスッキリとし、高い集中力が身に着くようになります。心と体をつなぐように意識して呼吸することで、モチベーションをアップすることもできるでしょう。ヨガの呼吸をできるだけ深く行うように意識すると効果的だそうです。心に不調がある場合、不調の原因を解決しようとしたり、直接心を元気にしようとすると、余計に辛くなってしまうこともありますよね。ヨガは心と体がひとつながりという考え方があり、体を使うことで心が楽になるとされています。ヨガと瞑想のメンタルヘルス効果についての研究ヨガと瞑想のメンタルヘルス効果については、さまざまな研究が行われています。イーストカロライナ大学のサイード博士は、エクササイズ、ヨガ、瞑想、太極拳、気功がうつ病や不安障害に効果があるのかを研究しました。太極拳と気功は効果がありませんでしたが、エクササイズ、ヨガ、瞑想には効果が現れたそうです。ヨガはうつ病に対して良い効果があり、不安障害やパニック障害の治療に効果的だと分かりました。瞑想はうつ病に良い効果があり、その効果は6か月以上続く可能性があるそうです。サイード博士は、うつ病や不安障害の補助療法としてヨガや瞑想は効果があると結論付けています。2017年にアメリカ心理学学会コンベンションで発表された研究では、52名を対象に8週間、ヨガを週2回行った女性と行わなかった女性のうつ症状について比べました。開始前、3週目、6週目、8週目にうつレベルを計測したところ、ヨガを行った女性のうつ症状が大幅に改善されたそうです。現在もヨガと瞑想のメンタルヘルス効果については、さまざまな研究が行われ、どれもヨガを行うことでうつ症状の改善に効果的だと結論付けられています。Depression and Anxiety Disorders: Benefits of Exercise, Yoga, and Meditation※Research Reveals The Impressive Mental Health Benefits Of Your Yoga Seshなぜヨガはメンタルヘルスに効果があるのかヨガがメンタルヘルスに効果がある理由は、呼吸法と脳内物質が関係しています。ヨガの呼吸法では、自律神経を安定させ、副交感神経を優位に働かせることができるので、心も体もリラックスすることができます。ヨガを行うと、「アナンダマイド」という脳内物質が分泌されることが分かっています。アナンダマイドは、至福物質とも呼ばれていて、人間が幸福感を抱いている時に分泌され、リラックス効果や記憶増進効果があるそうです。アナンダマイドの原料はアラキドン酸と呼ばれる必須脂肪酸で、牛肉や豚肉の脂肪の中に含まれています。また、ヨガによる瞑想で「コルチゾール」というストレスホルモンが減ることも分かっています。コルチゾールは、人間がストレスを感じるときに分泌され、体を興奮状態にさせてストレスを乗り越えようとします。ヨガの瞑想をすることでコルチゾールが減り、興奮状態から解放され、安らかな気分になることができるのです。ヨガを行えば、呼吸によって自律神経が安定し、脳内の幸福物質が増え、ストレスホルモンが減り、リラックスできるでしょう。瞑想のメンタルヘルス効果とは?瞑想を行うことで、心が落ち着き、ストレスを減らす効果があります。3ヵ月以上継続的に瞑想を行うことで、脳に変化が現れてきます。記憶に関係する海馬と、不安などの強い感情やストレスと関係する偏桃体の密度が変わってくるそうです。集中力アップや思考のリセットなどのビジネス的な要素も持ち合わせているため、グーグルを始めとしたIT企業を中心に、瞑想を社員研修に取り入れているそうですよ。瞑想を継続的に行うと、脳を活性化させて、ストレスをためにくい体を作ることができるでしょう。ヨガと瞑想を始めて心の安定を手に入れようヨガはストレスを減らすだけではなく、幸福度を上げることができると分かりましたね。ヨガも瞑想も継続することが大切だそうです。最初は効果を感じられないかもしれませんが、続けることで少しずつ嬉しい効果があらわれてきます。ヨガは未経験であったり、体が硬いと感じている方でも、時間や場所を選ばず取り組むことができるのも魅力的ですね。焦らずに、ゆっくりと自分のペースでヨガと瞑想を行い、心も体も健康になりましょう!