運動をして、気持ちの良い汗をかいて気分がスッキリとすると、ポジティブな気持ちになった経験はないでしょうか?運動は、メンタルヘルスに良い影響を与えると言われています。あなたがストレスを感じやすいのは、運動不足が原因かもしれません。日々の生活の中で、溜まったストレスを運動で解消しましょう!メンタルヘルスと運動の関係運動をすることで、適切でない生活習慣が原因となる癌や糖尿病などのリスクが軽減されると言われていますが、それだけではありません。運動には、メンタルヘルスにも良い影響があり、逆に運動不足になることでメンタルヘルスを悪化させる可能性があります。運動をすることでストレスが解消され、ストレスに強い体をつくることができます。運動をする習慣がない人は、頭が重い、肩がこる、疲れやすいなど体の症状だけでなく、イライラしやすい、何をするにも気分があがらないなどの精神症状が出ることが多いそうです。うつ病の治療法の1つに、運動療法があるのをご存知の方もいるのではないでしょうか。軽いうつ病の場合は、運動を定期的に続けることで症状が緩和し、再発予防に効果があると言われており、うつ病の治療として、運動療法を行っている病院は多いそうです。メンタルヘルスの観点から見ても、運動は嬉しい効果ばかりなのです。メンタルヘルスと運動の関係に関する研究運動がメンタルヘルスに与える良い影響については、多くの研究がされています。厚生労働省が発表している『健康づくりのための身体活動基準2013』には、運動は生活習慣病の予防だけでなく、気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルスの不調の予防に有効的であることが記載されています。明治安田厚生事業団は、近年急増しているうつ病などの精神疾患と運動についての関係性について研究しました。運動しているグループと、まったく運動しないグループを比較すると、運動しているグループは、抑うつになりにくいことが分かったそうです。1週間に運動を2時間以上しているグループは、抑うつになるリスクが半分になったというから驚きですね。また、週1回でも運動している人は、ストレスがあったとしても抑うつが少ない結果が出ているそうです。ハーバード大学でも、運動とメンタルヘルスの関係についての研究が行われています。運動を定期的に行う人は、うつ病になる確率が運動を行わない人に比べ、20〜30%低く、運動には、うつ病を予防する効果があるということが分かりました。日本だけでなく、海外でも運動がメンタルヘルスに良い影響を与えるという研究結果が多く出ています。参考文献※健康づくりのための身体活動基2013※明治安田厚生事業団『運動とメンタルヘルス』※運動・身体活動と公衆衛生21 「運動・身体活動とストレス・メンタルヘルス」なぜ運動するとメンタルヘルスに良い影響があるのか運動をすることで、メンタルヘルスに良い影響がある理由は、脳内物質が関係しています。日常的に運動を続けることで、ストレスを解消する脳内物質であるセロトニンとエンドルフィンが安定的に分泌されます。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。脳を活発に働かせるための脳内物質であるセロトニンは、身体の中で自然に作られ、構造は精神安定剤とよく似ています。セロトニンが分泌されることで、気持ちが落ち着く、集中力が高まる、頭の回転がよくなるなどの良い効果がたくさんあり、気分の落ち込みや抑うつ感も改善されると言われています。不足することで、怒りや悲しみの感情が抑えられなくなり、うつ病になりやすくなってしまいます。もう1つのエンドルフィンは、気分が高まる効果のある脳内物質で、ストレスを軽減しようとしている時に分泌され、幸せな気持ちを感じることができ、免疫力をアップすることもできます。不足することで、代わりにノルアドレナリンという不安を感じやすい脳内物質の分泌量が増加してしまい、ネガティブな気持ちになってしまいます。また、悩みを抱えているときやストレスが溜まっているときは、心にバリアが張っている状態になってしまいます。バリアを張っている状態では、かなりのエネルギーを消費するので、心身が消耗してしまうんですね。バリアに使うエネルギーを運動によって発散させることで、悩みやストレスが軽減される効果があるそうです。運動をすることで、ストレス解消に効果があるセロトニンとエンドルフィンが分泌され、メンタルヘルスに良い影響を与えるのです。運動することで睡眠にも良い効果がある運動をして身体が疲れることで、睡眠にも良い効果を与えます。運動して疲れると、身体が睡眠を求め、睡眠の質をあげることができます。安眠することで疲労回復やストレス解消ができるなど、良い効果がたくさんあるんですね。また、運動をしないと身体が疲れていないのにも関わらず、脳が疲れている状態になってしまいます。身体と脳の疲労バランスがうまく取れていないと、安眠することができません。布団に入ってついつい考え事をしてしまい、なかなか寝付けなかった経験が一度はあるのではないでしょうか。寝る前に考え事をすることで、睡眠中も脳が考え続けてしまうことで疲れてしまい、寝つきが悪くなるだけでなく、夜中目が覚めてしまったり、翌朝スッキリ起きることができなくなってしまいます。運動をして身体を疲れさせることで、安眠することができ、疲れやストレスが解消されるのです。メンタルヘルスに良い影響を与える運動方法は?メンタルヘルスに良い影響を与える運動は、気持ちよく続けられる程度の有酸素運動が効果的です。有酸素運動をすることで、セロトニンが活性化され、ポジティブな気持ちになることができます。1日20〜30分程度の有酸素運動を週2〜3日続けましょう!きつい運動をする必要はなく、ジョギングや水泳、エアロビクスなどの軽い有酸素運動で十分です。運動の効果は2〜3日続きますので、週末にまとめて運動するよりも、2日おきや3日おきに運動した方が効果的です。運動をするハードルが高い方や、運動が苦手な方は散歩から始めて見るのも良いでしょう。セロトニンの分泌には、リズミカルな運動が効果的と言われています。 散歩をするとき、3分ごとに早歩きと普通速度の歩きを繰り返すと、リズミカルに運動することができるので、おススメです。ずっと早歩きをするのはすぐに疲れてしまいますが、普通速度の歩きを挟むことで、長い時間続けることができます。逆に、激しい運動をすることは、メンタルヘルスにあまり良くありません。激しい息切れや多量の汗をかく運動では、心拍や呼吸をあげるために自律神経が活発に稼働してしまいます。仕事などで疲労した脳で、激しい運動をすることで、脳をさらに疲労させてしまい、身体はスッキリとはしますが、脳の疲労は溜まったままになってしまいます。メンタルヘルスに、より良い影響を与えるためには、無理なく続けられる有酸素運動を行いましょう。運動をして幸福度をあげよう運動をすることで、メンタルヘルスに良い影響ばかりだと言うことが分かりました。日々生活していると、どうしてもストレスは溜まってしまいます。楽しく運動をしながら、身体が健康になるだけでなく、ポジティブな気持ちにもなれるのであれば、一石二鳥ですね。長く続けられるような自分に合う軽い有酸素運動から始めてみましょう!