仕事に家事、子育てなどの自分以外の家族の ケアで忙しい毎日。最近、だるいな、疲れたなと感じた時、どのようなストレスケアをしていますか?運動や趣味、よく寝る!などさまざまなリフレッシュ方法があるかと思います。1つのストレスケアの方法として、食生活を見直し、心のメンテナンスとなるような食材や食事を取り入れてみませんか?栄養不足は心にも影響が「なんだか最近元気が出ない。料理のやる気もおきないし、太りたくもないから夕飯は豆腐とコンビニのサラダで…」忙しい毎日を過ごすみなさん。そんな経験はありませんか。実は、栄養の偏った食事が続くと体だけではく、心の状態にも影響が出ることがわかっています。その原因となるのは大きく分けて2つ。1,腸内環境が悪くなり、イライラや不安感が強くなる偏った食事によって、腸内で炎症が起こることがあります。炎症が起こった腸は必要な栄養素を十分に吸収する能力が衰えてしまいます。さらに、慢性的な腸の炎症は神経を異常に活性化させてしまいます。つまり、イライラしやすくなるといった症状が起こります。「幸せホルモン」と呼ばれる、セロトニンやドーパミンという物質の多くが腸で作られているため、その2つのホルモンの分泌が減ってしまうことがあります。セロトニンが減ると不安感を強く感じるようになってしまいます。2,心の安定に必要な栄養が足りなくなる「心の安定」と一言にいっても、そのために必要な体の中の要素はさまざま。脳をはじめ上記の腸内環境や「幸せホルモン」、自律神経など多岐にわたります。そのように多くの体や心の動きを助けるための栄養素もとても多くあります。中でも特に大切な数種類の栄養素が、食生活の偏りによって不足することで、ひどい時にはうつ状態にもなることもあります。その主な栄養素として、たんぱく質、鉄分、マグネシウム、ビタミンB群があげられます。自分の食生活を振り返ってみましょうまず、自分の食生活がどのような状態か知る必要があります。ここ1、2日間何を食べたか振り返ってみましょう。もし、お菓子やお酒など、食べすぎたものや飲みすぎたかなと思うものがあれば、その理由やその時の気持ちも考えてみましょう。無料でできる栄養診断もありますので、使ってみても良いかもしれません。こちらは株式会社明治さんのサイトです。厚生労働省が定期的に公表している、日本人の1日に必要な栄養素の量の基準を元に作成されています。「食の栄養バランスチェック」心の安定に必要な栄養素(たんぱく質、鉄分、マグネシウム、ビタミンB群)はどのくらい取れているでしょうか?注意していただきたいのは、この結果は通知表ではありません。深く考えず、あくまで参考としてください。ましてや、毎日チェックするようなことはおすすめしません。食事は数値ではなく、感覚で楽しむことが大切です。メンタルバリアとなる食生活をご紹介では、実際にどのような食生活が心の安定を守ってくれるのでしょうか。心の安定を守る食事=「メンタルバリア食」と名前をつけて紹介していきます。1、日々の食生活で減らしたいものまず、メンタルバリア食を活かすには腸の炎症を引き起こすものを控えていくことが大切です。腸の炎症を抑えることで、栄養を体内に取り込みやすくなります。もちろん、腸の炎症によって起こっている心の不調が改善されることも期待できます。減らしたい食材・脂肪分の多い食材・砂糖類・小麦粉・お酒上記以外でも、牛乳や乳製品を食べたあと、腹を壊しやすい方は乳製品も控えた方がよいでしょう。砂糖類、特にお菓子や清涼飲料水の取りすぎは腸に悪いだけではなく、血糖値の急上昇と急降下を招きます。イライラの原因となりやすいので注意しましょう。ついついお菓子を食べすぎてしまうという方は、その原因となる感情と向き合ってみましょう。他の発散方法を見つけ、すぐに試してみてはいかがですか。小麦粉について、医師の本間良子さんの著書によると、食べすぎているかもと思った方は次の方法で効果を実感できるといいます。平日5日間は小麦粉を主食とする食事を控え、休日は楽しむというパターンの生活を3週間続けるという方法。もちろん、効果を実感できたら長く続けていきましょう。2,取り入れたい食材取り入れたいメンタルバリア食は、心の安定を助ける栄養素として紹介した、たんぱく質、鉄分、マグネシウム、ビタミンB群(主にビタミンB6)が多く含まれる食事です。たんぱく質はご存知、肉類や大豆製品などに含まれています。こちらは日々の食事に取り入れている方も多いでしょう。たんぱく質の中にセロトニンを増やす効果のある物質が含まれています。そのセロトニンを作るにはビタミンB6やマグネシウムも同時に必要となります。・ビタミンB6を多く含む食材:レバー、肉、さば、鮭・マグネシウムを多く含む食材:カツオ、枝豆、ほうれん草、わかめ、納豆あとは、特に女性に不足しやすい鉄分です。鉄分が足りないと集中力が続かなかったり、疲れやすかったりといった症状が起こります。・マグネシウムを多く含む食材:レバー、赤身の肉、シジミ、アサリその他にも、・ストレスを感じた時に多く消費されるビタミンCを補う→緑黄色野菜やフルーツ・リラックス効果の高いGABAを多く含む食材→玄米、トマト、味噌最近、メンタルバリア食が足りていないかな?と思ったら、上記のいくつかの食材を入れたスープや味噌汁、鍋を手軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。食事による心のメンテナンスも取り入れて より素敵な毎日にメンタルバリア食として、心のメンテナンスになる食事についてご紹介してきました。・腸内環境の悪化や栄養が不足することで、心の安定が崩れることがある・腸の炎症を起こす食材を減らし、不足しやすい栄養を補うことでストレスに強い体になお、2週間以上、落ち込んだ気持ちが何をしても晴れず、仕事や趣味が全く手に付かないという際は無理をせず、心療内科など医療機関を受診しましょう。最後に、大切な人と楽しく食事をとることや、好きなものを味わい幸せを感じることもとても有効なストレスケアです。真面目になりすぎず、楽しく食べてより素敵な毎日を送ってください。参考文献・最新食べて治す医学大事典,根本幸夫,山ノ内槇一,中村丁次,浅野次義,磯田進,2018,主婦と生活社・うつ・適応障害・双極性障害 心の名医7人が教える 最高の治し方大全,上野陽之介編集,2021年,文響社・1週間に1つずつ 心がバテない食薬習慣,大久保愛,2019年,ディスカバートゥウェンティーワン・長生きしたけりゃ小麦は食べるな,本間良子,2020年,アスコム・ELLE