運動は健康のために大切だと分かっていても、なかなか始められないですよね。ジムに入会したのはいいものの、すぐに行かなくなってしまった方も多いのではないでしょうか。運動が苦手な方でも、お金をかけずにすぐに始められるのがウォーキングです。ウォーキングは体の健康だけでなく、メンタルヘルスにとても良い効果があると言われています。毎日のウォーキングで、心も体も健康になりましょう!ウォーキングがメンタルヘルスに与える効果ウォーキングをすると、ストレスを解消することができます。ストレスが溜まると、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れてしまいます。バランスを整えるためにはリズム運動が効果的です。リズム運動とは、一定のリズムで筋肉を動かす有酸素運動のことで、激しい運動を行う必要はありません。リズム運動は、軽いジョギングや自転車こぎ、スクワットなどが当てはまりますが、誰でも手軽に始められるのがウォーキングです。大切なのは、短時間でも毎日続けて行うことで3ヵ月続けて行うと、ストレス耐性の強い体質になるそうです。ウォーキングを習慣化して、ストレスに強い体を手に入れましょう。ウォーキングとセロトニンウォーキングを行うと、セロトニンが分泌されます。セロトニンは、精神の安定や集中力を高めるなど、脳を活発に働かせる鍵となる脳内物質です。ストレスに立ち向かうために必要なホルモンで、精神安定剤とよく似た分子構造をしているそうですよ。緊張やストレスを感じると、脳内ではドーパミンやノルアドレナリンが分泌され、交感神経の働きが活発になります。ドーパミンは喜びや快楽、意欲をもたらす働きがあり、ノルアドレナリンは、緊張や不安、ストレスに勝とうとするときに働きます。どちらも必要な脳内物質ではありますが、過剰に働くことで心身に悪い影響を与えかねません。交感神経が活発な状態で、セロトニンが分泌されることで、ドーパミンやノルアドレナリンを制御し、自律神経のバランスを整えようとしてくれます。セロトニンが不足してしまうと、ストレスが溜まり続け、イライラや意欲の低下などを起こし、気分が落ち込みやすくなってしまいます。うつ病やパニック障害、不安障害などになってしまう可能性もあるそうですよ。ストレスを抱えている人にとって、セロトニンはなくてはならない脳内物質とも言えるでしょう。また、ストレスが溜まることで、副腎皮質ではストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、ストレスから体を守るために体内の臓器に働きかけ、代謝に影響を与え、過剰に分泌されると、さまざま不調を引き起こしてしまいます。セロトニンはコルチゾールをコントロールすることができるので、ストレスを解消することができるのです。セロトニンは朝起きると分泌され始め、夜になるにつれて減っていきます。毎日ウォーキングを行うことで、朝起きて分泌されるセロトニンの量を増やすことが可能です。日々の生活の中で溜まったストレスを解消するために、ウォーキングをしてセロトニンを増やしましょう。効果的なウォーキングの方法セロトニンを増やすためには、20〜30分集中してウォーキングをすると効果的です。セロトニンは運動を始めて約5分後に濃度が高まり、20〜30分でピークに達します。長時間のウォーキングは、疲労が溜まってしまい、セロトニンの効果が低下してしまうので、オススメできません。1回で長時間のウォーキングをするよりも、短時間を毎日続けるようにしましょう。日常的に有酸素運動をしている人は、運動習慣のない人よりも、ストレスを受けたときのコルチゾールの分泌が少ないそうです。また、背筋を伸ばした正しいフォームで、少し息が上がるくらいのスピードで歩くことで、更に効果が高まります。無理のない速度で、こまめな水分補給を忘れないようにしましょう。正しい姿勢を意識した早歩きを20〜30分行うことで、効果的にセロトニンを増やすことができます。朝のウォーキングで効果が倍に!ウォーキングは、夜よりも朝に行う方が効果的です。朝起きてすぐはセロトニンの分泌量が多いので、起きてすぐにウォーキングに出かけることがオススメです。朝日を浴びることでも、セロトニンは活性化されます。セロトニンを増やす効果を、朝日とウォーキング、両方から受けることができるのです。日光を浴びて15分後にセロトニンが分泌され始めますので、20〜30分のウォーキングを心がけましょう。また、朝日をしっかりと浴びることで、14〜16時間後には睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されます。メラトニンは、セロトニンを原料に作られ、メラトニンが多いほど睡眠の質が良くなります。起きてすぐは水分が不足していますので、ウォーキングの前には必ず水分補給をするようにしてください。朝のウォーキングを行うことで、セロトニンの分泌量が増え、睡眠の質を良くすることができます。自然の中のウォーキングが効果的ウォーキングは自然の多い場所で行った方が効果的です。国際科学誌「Molecular Psychiatry」に掲載された小規模な研究によると、都会よりも自然の中を歩いた方がストレスが緩和されるという結果が出たそうです。63名を自然コースと都会コースの2つのグループにランダムに振り分け、1時間のウォーキングを行いました。スマホをいじることや店への立ち寄りは禁止し、自然コースはベルリンの森の中、都会コースはにぎやかな繁華街の通りを歩いたそうです。ウォーキングの前と後でストレスレベルを計測したところ、自然コースを歩いた被験者は、散歩後にストレスレベルの低下が見られました。自然の中を散歩した人は、ストレスや恐怖への反応を司る脳活動の低下が見られ、都会を歩いた人には見られませんでした。また、日本衛生学会の研究では、自然の中で15分間座るもしくは歩くことで、コルチゾール濃度と交感神経活動が低下したと報告されています。住んでいる場所によって、近くに自然がないかもしれませんが、近所の公園や河原でも十分だそうです。人ごみを避けられる交通量がなるべく少ない場所を探してみましょう。ウォーキングは都会よりも自然の中で行った方が、ストレス解消に効果的だと研究で分かっています。日本における森林医学研究毎日のウォーキングでメンタルケアを!ウォーキングには、メンタルヘルスに嬉しい効果がたくさんあることが分かりましたね。特別な道具を必要とせずに手軽に始められるのも魅力的ですよね。毎日続けることが大事ですが、雨の日や体調が悪い日は無理をする必要はありません。日常的なメンタルケアとして、ウォーキングを始めてみましょう。