旅行と言えば温泉!疲れたときには温泉に入ってリラックスしたい!と思いますよね。でもなぜ温泉には、リラックス効果があるのでしょう?それだけではなく、温泉には様々な効能があるとされています。今回はそういった温泉の凄いところをわかりやすく解説していきます。温泉の効能や、効果を高める入浴法を知ることで日本の文化である温泉をより楽しく効果的に利用しましょう。1.なぜリラックスできるのか?温泉に入ると、脳内でリラックス状態のときに出現するα波という脳波がでるそうです。温泉は身体だけでなく、脳からリラックスできるんですね。ではなぜ、そんなにリラックス効果が高いのか、考えられる理由についてご紹介していきます。2つのリラックス効果温泉には、物理効果、心理効果、薬理効果という大きな三大効果があります。その中の「浮力効果」と「心理効果」によって高いリラックス効果が期待できます。浮力効果物理効果の1つで、温泉に首までつかることで身体が浮くように軽く感じ、負荷が弱まることで筋肉も緩み、脳内にα波が出現してリラックス状態となります。心理効果転地効果とも呼ばれ、環境によって効果をもたらします。温泉地は、森林の多い場所に加え川や海の近くなど、五感が刺激される環境に多く存在します。そんな日常から離れた環境で長く過ごす程、五感への刺激と温泉そのものの効果が合わさり、自律神経やホルモンに影響を与えてストレス解消に繋がっていきます。おすすめは「単純温泉」さらに数ある温泉の泉質から日本で最も多いとされる「単純温泉」は、リラックスの湯または家族の湯とも呼ばれ、鎮静効果が高く、疲労回復とストレス解消に最も良いとされる泉質です。効能成分は薄いものの、そのおかげで刺激が少なく優しい特徴があり、小さなお子様にもおすすめできます。2.お肌に良い理由とは?美人の湯や美肌の湯など、肌への効果も高いとされる温泉。それは温泉の泉質や、温泉に含まれる成分によって高い効果がもたらされます。温泉の美肌成分温泉成分であり、石鹸にも含まれるアルカリ成分は、肌の表面にある角質を分解しやわらかくしてつるつるのお肌に導いてくれます。温泉に入る前にはぜひ、温泉の成分表を確認してみてください。成分表にある「ph値」もしくは「水素イオン濃度」と書かれた数値が8〜11のものはアルカリ性です。ちなみに、2〜6が酸性、7は中性となります。美肌効果を高める入浴法肌がよりつるつるになる入り方としておすすめするのは、酸性とアルカリ性の交互浴です。古い角質を剥がし、ピーリング効果のある酸性の温泉に入ったあとに、肌に優しいアルカリ温泉に入ることで、肌を整えてさらに美肌効果を高めてくれます。古くから仕上げ湯と呼ばれることもあり、アフターケアとしても好まれていたそうです。美肌におすすめの泉質肌への効果は温泉の泉質によっても変わってきます。肌におすすめの泉質を2つ効能とともにご紹介します。「炭酸水素塩泉」美肌の湯の代表は「炭酸水素塩泉」。宮城の鳴子温泉や、神奈川県の強羅温泉などが有名です。古い角質や毛穴の汚れをとったりと、まるで石鹸のようなはたらきで肌表面をツルツルにしてくれます。ただし、肌表面を柔らかくする効果から入浴中はツルツルですが、入浴後は皮膚の水分が蒸発し乾燥しやすくなるため、保湿剤などのケアが必要です。「硫黄泉」シミぬきの湯とも呼ばれる「硫黄泉」。群馬県の万座温泉や、新潟県の月岡温泉が有名で、温泉らしい硫黄の香りが強いのが特徴です。この硫黄泉は、血行を良くして老廃物の排出や、シミのもととなるメラニンの分解を促してくれるはたらきがあります。シミ予防や美白効果が期待できます。3.体の症状も改善する凄い効果温泉には医学的に証明されている様々な効果があり、温泉療法といった温泉の効能を利用した治療法もあります。正しく利用すれば病気の治療にもなるんですね。温泉が身体に与える効果や入浴法について詳しくご紹介していきます。身体への効果温泉の入浴によって様々な成分を皮膚から吸収し、その効果を得ることを温泉の薬理効果といい、療養に役立つ泉質をもった温泉を「療養泉」と呼びます。療養泉は約10種類に分けられ、それらの効能は「泉質別適応症」と呼ばれ様々な効果をもたらします。たとえば、二酸化炭素泉であれば、自律神経不安症や高血圧症、動脈硬化。含鉄泉なら、月経障害など泉質によって効能は異なり、入浴と飲用によっても得られる効能は様々です。また、泉質を問わずに共通して得られる効能もあり、それらは「一般適応症」と呼ばれ、神経痛や冷え性、筋肉痛や関節痛など一般適応症だけでも多くの効能があります。古くから伝わる湯治日本では古くから温泉の効能を利用した「湯治」という医療法があります。一般的な癒しや楽しむための温泉利用とは違い、病気の治療や療養を目的としたものです。そのため、症状によって医師に相談することと、湯治のための温泉地や入浴法をしっかり把握しておく必要があります。日本の各地には、湯治のための温泉地である「湯治場」というのが存在し、1週間以上滞在しながら人間のもつ自然治癒力や免疫力を高めていきます。最近では2、3日で行う「プチ湯治」や自宅で入浴剤などを利用して行う「お家湯治」なども、気軽に疲労やストレス解消ができることから注目されているようです。効果を高める入浴法最後に、温泉から得られる効果を高める入浴方法と注意点について解説します。入浴の際のポイント①入浴の前後は脱水を防ぐためにもなるべく水分をとる。②いきなり熱い湯に入ると身体へ負担がかかるため、かけ湯をしっかり行って温度に慣らしておく。③最初はぬるめのお湯に半身浴でゆったり入る。④浸かりながら身体を浮かせたり、足や腕の関節と筋肉をゆっくり動かしておく。⑤温泉からあがる際には、温泉成分を流さないよう、かけ湯やシャワーはしない。注意する点・食事の前後の入浴入浴中は、胃腸による消化吸収の働きが低下するため、食事の直前や直後はなるべく避けて、30分以上あけてから入るのがベストです。・飲酒は厳禁入浴によって血液循環が良くなるため、飲酒での入浴は更に血行を促進させてしまい、心拍数の増加など体には大きな負担がかかります。転倒や事故の危険も増すため、入浴の直前直後は飲酒を控えましょう。・激しい運動の後の入浴激しく動いた直後の入浴は、血液の循環を分散させることから疲労回復効果を妨げてしまう上に、心臓への負担もかかるため、おすすめできません。食事と同じく、運動後30分以上あけての入浴が望ましいです。まとめ今回温泉の大きな効果として、精神、美容、身体と3つに分けてご紹介しました。物理的な効果をみると、自宅のお風呂でも得られそうという意見が聞こえてきそうですが、温泉にはまだまだ紹介しきれない効果がたくさんあります。そしてそんな、あらゆる効果を混ざり合って得ることで温泉ならではの「複合効果」が更に期待できるのです。そんな凄い温泉効果をぜひ正しい入浴法で注意点に気をつけながら、楽しんでみてください。