長きに渡るコロナ禍もようやく収束に向かい、街には外国人観光客の姿が再び見られるようになりました。世界の観光地と比較しても日本は非常に人気が高く、マンガやグルメはもちろん、日本各地の景勝地は依然として外国人にとって魅力的であるようです。また、日本の歴史や文化への関心も高く、神社やお寺などは日本を感じられる絶好の観光地として、多くの外国人旅行客でにぎわいをみせています。その一方で、私たち日本人が自分たちの文化の素晴らしさを見逃してしまうことも少なくありません。そこで本記事では、外国人にも人気のある神社・仏閣を紹介しますので、ぜひ最後までお読みいただき、ウェルビーイングな休日の暮らしの参考にしてみてください。ウェルビーイングにとって歴史を学ぶ意味とは?歴史や文化とウェルビーイングがどう関係するのか、疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。ウェルビーイングとは、単なる「健康」ではなく、身体的・精神的・社会的にも満足する状態のことです。そのため、自分の国の歴史や文化を深く知ることは、社会的ウェルビーイングを高めることにつながり、他者との関わりを再確認することにもつながります。また、歴史を知ることは、私たちが自分たちの文化的アイデンティティーやルーツを理解することにも関わっており、これにより、私たちは自己肯定感を高め、より良いウェルビーイングの実現にも有効です。「歴史を学ぶ」と聞くと、少し難しいイメージがありますよね。しかしそれは教科書で勉強する場合の話。実際に自分の体験を通じて文化や歴史を感じれば、きっとウェルビーイングの向上にもつながりますよ。外国人旅行者が求めるのは日本文化コロナ禍が収束に向かい、海外旅行も回復しつつある昨今。外国人にとって、日本が大人気であるのをご存じでしょうか。外国人が旅行したい国はどこかと聞いたインターネット調査によれば、1位に「日本」が選ばれ、87%というダントツの結果となりました。日本に旅行したい理由のベスト3は、1位「日本の歴史と伝統文化を体験する」2位「自然景観を見る」3位「食事」が挙げられており、日本の文化や環境面に対する関心の強さがうかがえます。伝統文化の体験には瞑想や坐禅、写経などが含まれていることから、日本の文化が世界から高く評価されていることがわかりますね。また、株式会社・日本政策投資銀行(DBJ)と公益財団法人・日本交通公社(JTBF)が実施した「アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査2022年度版」においても、「次に観光旅行したい国・地域」として日本が1位に選出され、今後も日本の人気が高まることが予想されます。参考HPGMOリサーチアジア編PRTIMESアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査2022年度版p111度は訪れたい神社・仏閣10選「東京編」日本には全国各地にさまざまな神社・仏閣がありますが、今回はその中から「東京編」として10か所を紹介します。どの場所も清々しい空気が流れ、ウェルビーイングな休日を過ごすのにピッタリの名所です。東京に訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。◇神社編◇明治神宮明治神宮は、明治45年に崩御(ほうぎょ)された明治天皇をしのぶ目的として、大正9年に建立されました。そのため、歴史はそれほど古くありませんが、毎年の初詣では例年日本一の参拝者数を誇る日本を代表する神社の1つです。明治神宮は、新宿と渋谷といった大都会の中間に位置していますが、都会とは思えない厳かな空間を漂わせています。大鳥居から三の鳥居までの道のりは癒しの空間であり、参拝者の日頃のストレスを忘れさせてくれるでしょう。また、拝殿前には樹齢100年におよぶ夫婦楠(くすのき)があり、御神木として大切に保存されています。敷地内に建設された宝物殿(ほうもつでん)は、鉄筋コンクリートで建てられた日本で最初の建築物であり、平成23年に国の重要文化財に選定されました。大都会のオアシスとして、今もなお愛されている聖域ですので、ぜひ足を運んでみてください。明治神宮HP東京大神宮縁結びにご利益があるとされる東京大神宮もおすすめです。東京大神宮は、伊勢神宮の遥拝殿(ようはいでん)として明治13年に創建されました。遥拝殿とは、現地に参拝できない人のために、遠方からでも参拝できるように建てられた社殿のこと。「東京のお伊勢さま」の愛称で親しまれており、神前結婚式発祥の地としても有名です。また、東京大神宮は「東京5社」の1つであることから、遠方からの参拝客が後をたちません。東京大神宮HP日枝神社photo by hako日枝神社は、徳川家の守り神として江戸時代から多くの人々に愛されている神社です。この神社の特徴は、狛犬(こまいぬ)の代わりに神猿像(まさるぞう)が配置されていること。猿は「えん」とも読むことから良縁のご利益があるとされるほか、「魔が去る」として、厄除けの神様としても知られています。江戸時代から代々受け継がれている山王祭(さんのうさい)は、京都の祇園祭り、大阪の天神祭りと並ぶ「日本3大祭り」の1つに数えられ、お祭りの際には多くの見物客でにぎわいます。敷地内には、伏見稲荷神社で有名になった「千本鳥居」があり、都内では日枝神社を含む2か所でしか見られません。日枝神社HP神田神社photo by hako秋葉原駅と神田駅の中間に位置する神田神社。その創建は古く、天平文化で知られる天平2年(730年)に開かれたと伝えられています。戦国武将・平将門(たいらのまさかど)が祀られていることから、徳川家康が関ヶ原の戦いの前に、勝利を願った祈祷を捧げたのだとか。江戸幕府が開かれてから400年後の2003年には、国の有形文化財に指定されました。また敷地内の神田明神文化交流館EDOCCOには、オリジナルショップやカフェも併設されているため、若者からも人気を集めています。「江戸3大祭り」の1つ神田祭では1日に30万人もの見物客が訪れ、街全体が活気に包まれます。神田神社HP小網神社photo by hako今から約1000年前の室町時代に創建された神社です。日本橋にひっそりとたたずむ小網神社ですが、「強運厄除けの神さま」として平日・休日問わず多くの参拝者が訪れます。とくに有名なのが、金運アップをもたらすと言われる「銭洗い弁天様」。ここで洗ったお金を財布に入れておくと、金運アップにつながるのだとか。日本橋地区に残る唯一の木造神社建築は、訪れるだけでも歴史を感じられること間違いなし。「昇り龍」や「降り龍」などの彫刻も必見です。小網神社HP◇仏閣編◇金龍山浅草寺浅草といえば浅草寺。雷門や風神・雷神像で知られる浅草寺は、1400年の歴史が続く日本を代表するお寺です。創建は628年と言われており、東京最古のお寺として現在も多くの参拝者が訪れ、雷門から始まる中店通りにはさまざまな飲食店や土産物屋が軒を並べています。本殿はもちろんのこと、松尾芭蕉が歌に詠んだ弁天堂があるほか、宝蔵門や五重塔も圧巻です。浅草寺の隣には浅草神社もありますので、合わせて足を運んでみると良いでしょう。運がよければ定期的に開催している、「猿回し」の曲芸も見られるかもしれませんよ。金龍山浅草寺HP柴又帝釈天お寺紹介2つ目は、柴又にある柴又帝釈天です。少し古いですが、人気映画シリーズ『男はつらいよ』にも登場するので、ご存じの方も多いかもしれません。1629年、寛永年間に開かれた柴又帝釈天の見どころは、帝釈堂外部の全面に掘られた見事な彫刻です。これは仏教の教えを映像化したものであり、10話の教えが描かれたものとして大正11年から昭和9年にかけて作成されました。参道の両脇には名物の草団子の売店があるほか、川魚料理店も人気の観光スポットです。柴又帝釈天HP成田山深川不動尊千葉県にある成田山新勝寺の東京別院です。江戸時代から「深川のお不動様」として親しまれており、徳川5代将軍綱吉の母、桂昌院も参拝したことでも知られています。お不動様とは、仏教の守護神である「不動明王」のこと。厄を払い煩悩を打ち消すことから、家内安全や厄除け、商売繁盛などさまざまなご利益があると言われています。境内に入ると大きなお不動様が鎮座しており、その姿に圧倒されること間違いなしです。その他、中には干支ごとの仏様もいらっしゃるので、ご自身の守り仏を知る良い機会になるかもしれません。成田山深川不動尊HP築地本願寺photo by hako築地を代表するお寺といえば、築地本願寺です。「築地」という地名は、このお寺が浅草から移転する際、海を埋め立てて土地を築き本堂を建てたことに由来します。インドや東南アジアのお寺を思わせる外観が特徴で、本堂入り口のステンドグラスや美しい彫刻のかずかずは一見の価値あり。さらに築地本願寺の面白い点は、本堂にパイプオルガンが設置されていること。仏教音楽を広げる目的で1970年に設置され、大小およそ2000本のパイプで構成されています。毎月最終金曜日にはランチコンサートも開かれているので、その時間に合わせて参拝するのも楽しみの1つではないでしょうか。築地本願寺HP豊川稲荷東京別院photo by hako日枝神社から歩いて15分ほどの場所にあるのが、豊川稲荷東京別院です。こちらの創建は江戸時代中期頃と言われています。一般的に「稲荷」というと神社を想像する方が多いですが、こちらは「仏教系」のお稲荷様です。境内のいたるところにお稲荷様が祀られ、参拝者を出迎えてくれます。古くは今川義元や織田信長、豊臣秀吉も参拝した由緒あるお寺です。境内には、すべての七福神が祀られているため、豊川稲荷1か所で七福神巡りができるのも嬉しいところ。また、願い事が叶った際に返納する「融通金」の授与や、悪縁切り、銭洗い弁天など、ご利益たっぷりのお寺となっています。豊川稲荷東京別院HP日本の歴史や文化を通して、ウェルビーイングな休日を今回はウェルビーイングな暮らしの提案として、日本文化の象徴ともいえる神社や仏閣を紹介しました。自国の文化を知ることは、毎日の生活をより豊かにすることにもつながります。お近くに神社やお寺がある方は、ぜひその場所を訪ねてみてください。これまで知らなかった地域の歴史や意外な発見があるかもしれませんよ!★関連記事★東京で訪れたい神社・仏閣6選。上野散歩編