「ボランティア」と聞くと、だいたいの人が人助けや慈善活動などを連想されることでしょう。確かに、他人や社会のために行う行為ではありますが、実は参加した人の多くが「自分のためになった」と感じるそうです。また、ボランティア活動をしている人は、していない人と比べ、人生における満足度も高い傾向にあると言われています。それはどういうことでしょうか。ボランティア活動の種類や、その参加方法なども交えながら考えてみたいと思います。ボランティアとは?そもそも「ボランティア」という言葉は、ラテン語のvoluntusが語源であると言われています。「自由意志・自ら進んでやる」という意味です。ボランティアの定義は、厚生労働省のホームページによれば、「ボランティアについて明確な定義づけを行うことは難しいものの、一般的には“自発的な意思に基づき他人や社会に貢献する行為”」を指すとされています。ボランティア活動の4つの理念ボランティア活動には、4つの基本理念があります。自主性・自発性ボランティア活動は義務や強制で行うものではありません。あくまでも個人の自発的な意思に基づいて、主体的に行うもの。社会性・連帯性社会の一員としての自覚を持つことが大切。周囲の人々と互いを尊重しあいながら、協力することが望まれます。無償性・無給制ボランティアの基本は、個人的な利益や見返りを求めないことです。創造性・先駆性さまざまな問題に対し、従来の枠にとらわれず、柔軟な発想や独創性をもって新しい方法や仕組みを創り出していく姿勢が必要です。ボランティア活動の種類2022年4月時点、全国の社会福祉協議会が把握しているボランティアの人数は、6,677,675人。ボランティア活動の中には、海外や被災地へ行くなど一見ハードルが高そうなものもありますが、その活動は決して難しいものや特別なものばかりではありません。ここでは、ボランティア初心者の方のために、日常のなかで取り組みやすいものをいくつかご紹介します。地域活動地域の活性化や人々が安心して暮らせるような地域社会をつくるための活動です。清掃活動や見守り活動、イベントの運営など活動の場は色々。住んでいる地域での活動がメインのため、参加しやすいのが特徴です。高齢者や子育て支援少子高齢化が叫ばれる日本では、子どもや高齢者への支援も重要なボランティア活動のひとつ。こども食堂や学習支援、傾聴、介護支援など、実際に寄り添う形での活動がメインとなります。自然保護や環境保全自然環境を守ることは、持続可能な社会を目指す上では欠かすことの出来ない取り組みです。ボランティアの活動には、森林を保全するための植林や間伐を始め、身近なところではゴミ拾いや美化活動などが挙げられます。動物愛護活動環境省の発表によると、日本では年間2.3万頭以上もの犬・猫が殺処分されています。保護活動は基本的にNPOなど非営利の団体が行なっているため、ボランティアの存在は必要不可欠。活動例は、保護施設の清掃や保護された犬や猫の世話、新しい飼い主を探すことなど様々です。スキルを必要とするプロボノ特別なスキルがなくても活動できる一般的なボランティア活動とは異なり、職業上持っている知識やスキルを使って活動するのがプロボノ。情報発信の支援や法律に関する相談、翻訳、広報や宣伝活動のサポートなど多種多様で、スキルアップに繋がることも。寄付金や支援金など寄付や支援金も時間や場所を選ばないボランティア活動です。気軽にできることから始めたいと言う方にもおすすめ。継続した支援や幅広いサポートが出来るのも特徴のひとつ。ただ、中には運用実態が不透明な団体もあるため、過去の実績や使い道などを調べましょう。その他小さな思いやりや優しさの連鎖がボランティアであると考えるなら「ちょっとしたボランティア」略して「ちょボラ」もそのひとつ。電車やバスで席を譲る、両手が塞がっている人のためにドアを抑える、ゴミ箱の周りに散らばったゴミを片付けるなど。すぐにでも始められることはたくさんあります。ボランティア活動を探す方法ボランティア活動を探すには以下のような方法があります。社会福祉協議会やボランティアセンターに相談する身近な窓口として、地域の社会福祉協議会やボランティアセンターなどに相談してみましょう。地元に密着した情報を得ることができます。募集をしている団体も信頼性の高いものが多いため、求人も確かなもので安心できます。イベントやセミナーに参加してみるボランティア団体やNPO法人が主催するイベントやセミナーなどに参加してみましょう。実際に活動している人から団体の理念や活動内容などを聞けるので、自分に合っているかどうかを確認することができます。インターネットを利用するインターネット上にはさまざまなボランティアの求人サイトがあるため、たくさんの情報を手軽に集めることができます。しかし、その募集団体が実態にあるのかなどはその情報だけでは判断がつきません。活動実績などを事前に調べる必要があります。ボランティア活動をして社会に貢献することで得られる変化では、ボランティア活動を通して社会貢献することはどのような変化をもたらすのでしょうか。知識や価値観を学べる活動するなかで、日常生活では学ぶことのできない知識やスキルを身に付けることができます。また、新しい価値観を知ることにより、それまであった固定観念や偏見に気付き、改善していくこともできるのです。人間関係が広がるボランティアに集まる人々はその背景はバラバラです。幅広い年代や職業の人たちと交流することで気付きを得たり、人脈が広がることもあります。自己肯定感や生きがいにも繋がる普段、社会貢献できているという実感はなかなか湧きにくいもの。しかし、支援に携わることでその実感を得ることができます。その良いことをしているという感覚は、自分を認め、誉めることに繋がり、自己肯定感が向上します。それ以外にも、新しい生きがいや楽しみを見出すこともあります。まとめボランティア活動をして社会に貢献することは、自分自身の成長や幸福度を上げることにも繋がる、ということがお分かりいただけましたか?今回ご紹介したのはほんの一例です。ボランティアの形は人それぞれ。きっとあなたに合うものが見つかるはずです。是非これを機に、小さなことから始めてみませんか?