親元を離れてひとり暮らしを始めたときや社会人になったとき、あるいは新しい家庭を築いたときなど、親の存在の大きさや凄さを実感したことは誰にでもあると思います。しかし、慣れない環境に揉まれながらも生活サイクルができてくると、はじめはマメにしていた親への連絡もいつしか途絶えがちに。時には、送られてきたメールの返信すら返さないまま…。また、ここ数年のコロナにより最後に顔を合わせたのは何年も前、という人もいることでしょう。いつの時代においても親孝行は永遠のテーマです。“人が死ぬ時に後悔すること”というアンケートの結果でも、「親孝行ができなかった」「親ともっと会話をしておけばよかった」「子供ともっと一緒に過ごしたかった」など、家族にまつわるものがいつも上位を占めています。当たり前にあるものほど、その大切さは見えにくく、つい後回しにしてしまうものなのかもしれません。この機会にいちど親孝行について考え、感謝の気持ちを伝えてみませんか。親にはあと何日会える?令和3年の厚生労働省の発表による、男女の平均寿命は以下の通りです。男性の平均寿命 81.47年女性の平均寿命 87.57年いかがですか?自分の親と照らし合わせ時間的な余裕はまだまだある、そう思われた人も多いかもしれません。では、親にあと何日会えるのか計算したことはありますか?親に会える残りの日数の計算式(平均寿命−親の年齢)×(1年間に会える日数)=親に会える残りの日数例えば、両親が現在60歳で、1年間あたりの帰省日数を6日と考えた場合。父親(81ー60)×6日=126日母親(88ー60)×6日=168日残された日数は母親で半年程度、父親にいたってはわずか4ヶ月程しかありません。この数字を見てもなお、時間はまだ十分にあると言えるでしょうか。年齢が上がると、残された日数はさらに短いものになります。なぜか自分の親の「死」だけは遠くに感じてしまうものですが、終わりを意識することは、今ある「生」を見つめるということ。いつか必ずやってくる親の死を前に、あなたは後悔しないと言えますか?親孝行をする方法自分の気持ちに気付いたときこそ、思いを伝えるチャンス。とは言え、身近な人だからこそ素直に伝えることができない人もいるはず。しかし、直接的な言葉で感謝を伝えることだけが親孝行ではありません。あなたに合った親孝行の方法を探してみましょう。1)一緒に旅行に行く旅は幾つになっても楽しいものです。そこに喜びや生きがいを見出す人も。好奇心が満たされる旅行は、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることのない期間)を延ばすとも言われています。一緒にゆっくり温泉に浸かったり、その土地の美味しいものを食べたり。きっと良い思い出となるでしょう。非日常に身を置くことで、これまでお互い知らなかった新しい一面を知ることもあるかもしれません。2)プレゼントを贈る母の日や父の日、誕生日などにプレゼントを贈る人は多いことでしょう。親が気に入りそうなものを思い浮かべながらのプレゼント選びは楽しい時間です。でも、そういった特別な日でなくても、ふいに受け取るプレゼントはまた違った喜びがあるはず。それは子供から親への「いつも気にしているよ」のサインでもあります。そこにプレゼントの大・小は関係ありません。3)一緒に食事をする同じ食卓を囲むことも親孝行のひとつ。普段なかなか口にすることのできない料理や、お酒、ゆったりくつろげる場所などでいただく食事は、心も身体も満たしてくれます。親にリクエストを聞いて、好みのお店を探してみてはいかがでしょうか。また、外食が難しい場合は、一緒に台所に立ったり、あるいは親の好きなものを作ってあげてみても。些細なことから、思い出話に花が咲くかもしれません。4)話し相手になる普段、親とはどんな話をしていますか?忙しい日々を送っていると、どうしてもその内容は連絡事項や報告などが中心になりがちです。親と子、それぞれ生活のペースが違うのは当たり前。しかし時には時間を気にせず、たわいもない話をしてみませんか?そういった何気ないことに幸せを感じる人も少なくないはず。昔話などをするうちに、当時は気付かなかった親の思いや、今の本当の気持ちを知ることもあるでしょう。5)元気な姿を見せるあるアンケートによると、子供にしてもらって最も嬉しい親孝行の第1位は「元気な姿を見せること」なのだそう。この結果からも、親が子供に望むことは特別なことではないということが分かります。いくつになっても親は子供を心配するものです。遠くに離れて暮らしていればなおのこと。元気な姿を見せることが、1番の親孝行かもしれませんね。6)電話をする親が遠方に住んでいたり、置かれている状況などによっては帰省も簡単なことではありません。ただ、現代は携帯電話やスマートフォンの普及により、距離があっても互いの存在を身近に感じることができるようになりました。「元気?」たったこれだけでも、気持ちは伝わります。テレビ電話などを使うと更に表情や様子が分かり、小さな変化にも気付きやすいことも。ほんの数分の電話で、近くて遠い親子の距離を埋めてみませんか。7)手紙を書くメールやSNSなど手軽で便利なツールが溢れている今だからこそ、手書きで書かれた手紙には特別なものを感じます。子供からの手紙は、親にとって嬉しいものに違いありません。いつまでも手元に置いて、何度となく読み返すことでしょう。写真などを添えるとさらに喜んでもらえるはず。普段なかなか言葉にできない気持ちを、手紙で伝えてみませんか? まとめ時間の流れを止めることは、誰にも出来ません。私たちに出来ることがあるとすれば、それは大切な人にその気持ちを伝えることだけ。もしかしたら、親孝行は親のためではなく、いつか残される自分のためにするものなのかもしれません。「後悔先に立たず」とならないよう、親との限りある時間をぜひ大事にしてください。