世界で最も幸福な国、フィンランド。国連の世界幸福度ランキングで、2018年から5年連続で1位にランクインしているこの国には、幸福の秘密がたくさん詰まっています。今回はMiCORAY運営メンバーであるSAORIが、育児休暇中に0歳児を連れて実際にフィンランドを訪れ、その答えを探してみました。16日間の滞在で経験したファームステイや企業訪問などを通じ、そこから見えてきたフィンランドのウェルビーイングなポイントをこの記事でお伝えします。この記事はこんな人におすすめです・ストレスの多い日常から離れ、心と体をリフレッシュしたい人・サウナや自然が大好きで、ウェルビーイングを追求する旅行をしたい人・世界で最も幸福な国の秘密を知りたい人・フィンランドの文化や習慣に興味がある人・自分の幸福感を高めるヒントを求めている人フィンランドを訪れて体感した6つのウェルビーイングポイント1. 自然の豊かさフィンランドは「千の湖の国」とも呼ばれるほど、美しい自然に恵まれた国です。湖の数は実に18万もの数に及び、豊かな森林が広がっています。今回私が滞在したロヴァニエミにあるファームも森と湖に囲まれた場所にありました。3月下旬にも関わらず気温は氷点下で、あたり一面は雪景色。都市部から車で一時間ほどの誰もいない田舎町で、のんびり子育てをしながら、スキーやソリで雪遊びをしたり、キャンプファイヤーの炎をじっと見つめたり、凍った湖の上で魚釣りをしたり、自然と共存しながら過ごす毎日は本当に素晴らしいものでした。都会の喧騒から離れて、自然と動物たちだけの環境に身を置いた時、心が癒されてリセットされた感覚がありました。自然の中で過ごすことは、身体だけでなく心のリズムを整え、フィンランドが「幸福な国」と呼ばれる理由の一端を感じる瞬間でもあったと思います。2. サウナ発祥の地フィンランドといえば、サウナ文化が有名です。フィンランドの家庭には、ほとんどの家にサウナがあると言われており、サウナは人々の生活の一部です。私はロヴァニエミにある公衆サウナを訪れ、現地の人々と一緒にリラックスしました。蒸し暑いサウナで汗を流し、その後に冷たい湖や雪に飛び込むことで、心も体もリフレッシュします。サウナは、単なるリラクゼーションの場ではなく、人々が交流する場所でもあります。サウナでの会話は、フィンランドの文化の一部であり、人々がリラックスして心を開く瞬間です。このようなサウナ文化が、フィンランドの人々の幸福感を高めているのでしょう。3. コーヒー休憩を大切にフィンランドでは、「カフェタイム」と呼ばれるコーヒー休憩の文化があります。フィンランド人は、世界で最もコーヒーを飲む国民の一つであり、休日はもちろん仕事の合間にも何度かコーヒー休憩を取ってリラックスすることが一般的です。今回滞在したロヴァニエミのファームでも、食事の間に必ずコーヒーや紅茶と手作りのスイーツを楽しむ時間がありました。カフェタイムは、友人や家族との絆を深める時間でもあります。人々が集まり、コーヒーを飲みながら会話を楽しむことで、ストレスを解消し、心を豊かにすることができます。4. 子どもに優しい国フィンランドは、子どもたちとその親にとって非常に優しい国です。まず、ベビーカーを連れていると電車やバスなどの公共交通機関が無料になります。さらに、ベビーカー専用のスペースが電車やバスに設けられており、混雑時でもスムーズに乗り降りできるのも魅力です。また、フィンランドでは子どもが入れないレストランはほとんどありません。家族みんなで食事を楽しめる環境が整っているため、親子での外食が気軽にできます。ほぼすべての商業施設や飲食店にはおむつ交換台が設置されており、子ども連れの親御さんが安心してお出かけできるようになっています。シャイな人が多いといわれるフィンランドですが、子どもに対しては非常に温かく、道行く人が笑顔で声をかけたり、子どもと遊ぶ場面もよく見かけます。今回滞在したファームのホストファミリーも、私たちの子どもに対して「あなたは私たちの家族だよ」と声をかけ、毎日のように抱っこしたり遊んだりしてくれました。これらのことから、フィンランドでは国全体で子どもを大切にする文化が根付いていると感じます。フィンランドを訪れると、子どもと一緒にいるだけで、自然と周囲の人々とつながることができるのです。5. 個を尊重し、人と比較しないフィンランドでは、個人の自由を尊重し、人と比較しない文化が根付いています。人々はお互いの違いを受け入れ、個人の選択を尊重します。私はフィンランドで、個性を大切にする文化を感じました。この文化は、ストレスやプレッシャーを軽減し、幸福感を高める要因となっています。社会的な競争や他者との比較が少ないため、人々は自分自身を大切にし、自然体で生きることができるのです。このような環境が、フィンランドが世界で最も幸福な国と言われる理由の一つです。6. 未来のことは考えず、今を楽しむ「フィンランド人は未来のことは考えず、今を生きている」。これはフィンランドのローカル企業で働く日本人からお話を伺った際に聞いた言葉です。実際、フィンランドの企業では中長期の目標は設定せずに、今日をどうするかの会話をすることが多いそうです。フィンランド語には、未来形がありません。これは気候の厳しさが影響しているとも考えられます。フィンランドで一年の半分ほどを占める冬の時期は、極寒の氷点下が当たり前。日照時間が極めて短く、太陽の光を全く感じられない日が続きます。自然環境が厳しいフィンランドにおいて、数年先の未来を案じるより、今この瞬間に太陽を楽しむことが大切なのかもしれません。このような文化は、幸福感を高めるために重要です。将来に対する不安や心配を最小限に抑え、今この瞬間を楽しむことで、心の安定を保つことができます。フィンランドの人々が幸福である理由の一つは、まさにこの「今を楽しむ」文化にあると言えるでしょう。フィンランドが世界で最も幸福な国と呼ばれる理由以上、フィンランドを訪れて体感した6つのウェルビーイングなポイントをご紹介しました。自然の豊かさから始まり、サウナ文化、コーヒータイムの重要性、子どもを大切にし、個人を尊重する文化、そして「今を楽しむ」という生き方。これらの要素が、フィンランドを世界で最も幸福な国にしている所以です。フィンランドの旅を通じて、私はウェルビーイングの真髄に触れることができました。幸福感とは、豊かさだけではなく、心の落ち着きや人々とのつながりからも生まれるものです。あなたも、フィンランドを訪れて、この幸福の源を感じてみてはいかがでしょうか。