今、旅行の形が変化しているのをご存知でしょうか?従来の旅行は、観光地を個人や団体でめぐるツアーが主流でした。近年は「ライフスタイル(自分らしい生き方)を実現する旅」に変わってきています。現在はSNSなどで誰もが旅の情報を検索し、発信できる時代です。そのため旅行者の選択肢の幅が、昔とくらべて大きく広がりました。さらに、ストレスの多い時代でもあるため、旅に求めるものが変わってきたのかもしれません。そんな現代人の価値観に寄り添うように、旅行の形が変化しているのです。本記事では、新しい旅行の形である「ニューツーリズム」について解説し、おすすめスポット3選を紹介します。新しい旅行の形「ニューツーリズム」「ニューツーリズム」とは、旅に目的(テーマ)があり、体験や交流を取り入れた新しい形の旅行を指します。※1ニューツーリズムには様々な種類がありますが、その中から5つ紹介します。ヘルスツーリズムヘルスツーリズムは、旅の癒しによって健康を回復、増進、保持することをテーマとした旅行です。森林浴などで旅先の豊かな自然に触れ、温泉や身体によい料理を楽しむことで健康的にリフレッシュできる旅。その旅をきっかけに健康への関心が高まり、旅行後も健康を意識した生活をすることが、ヘルスツーリズムの目指すかたちです。日本には、森林をはじめ、湯治(温泉療養)や和食文化が各地にあります。そのため、ヘルスツーリズムへの様々な取り組みが、各自治体によっても行われています。※2リトリートツーリズムリトリートツーリズムとは、日常から離れて自分を取り戻すための旅のことをいいます。リトリート(Retreet)は直訳すると「隠れ家」「避難所」などの意味があるほか、リトリートメント(Retreatment)=「再処置」などの語源からきているという説も。ある調査結果では、旅・レジャーに求めるモチベーションは「癒されたい、のんびりしたい」と答えた人が約8割でした。仕事や家庭から一時的に離れて静養し、自分を癒し、また日常へ戻っていく。ストレスの多い現代人が求めているのは、日常を離れてリラックスできる旅なのかもしれません。※3ウェルネスツーリズムウェルネスツーリズムは、旅先でヨガや瞑想、交流などを行い、心身の健康に気づく旅のことです。世界ウェルネス機構(GWI)はウェルネスツーリズムを「個人のウェルビーイングを維持または強化することの追求に関連する旅行」と定義しています。つまりウェルネスツーリズムでは、型にはまったものではなく、個人の価値観やライフスタイルに合わせたプランを選択することが大切といえるでしょう。また、地域資源(特産品や地域住民、歴史文化など)に触れることで、新たな気づきや学びから自己啓発につながる可能性もウェルネスツーリズムには期待ができます。※4エコツーリズムエコツーリズムは、地域の自然や歴史文化を学び、保全につなげるための旅行です。海外でも盛んに行われており、自然や歴史文化の美しさ、奥深さなど、その価値を知ることもエコツーリズムの魅力です。その地域の環境問題などをよく知るガイドとともに、自然を散策したり野生動物を観察したりします。エコツーリズムを体験することで、地域や国の社会問題への関心が高まり、視野が広がることもあるでしょう。※5 ※6グリーンツーリズムグリーンツーリズムとは、農林水産業(農業、漁業など)が盛んな地域で自然や文化、地域住民との交流を体験するための旅行を指します。もともとはヨーロッパにある「緑豊かな農村地域で余暇を過ごす」といった風習を参考にしたもの。たとえば農村の家に滞在し、農業を手伝う「ファームステイ」などがあります。田舎暮らしへの関心が高まる昨今では、注目されている旅行の形ではないでしょうか。※7 ※8ニューツーリズムのおすすめスポット3選国内でニューツーリズムを体験できるおすすめのスポットを3つ紹介します。大分県「健康ながゆ旅」健康ながゆ旅のウォーキングツアーは、プログラムに沿って健康チェックや森林浴、温泉などが体験できる、ヘルスツーリズム認証を取得したプログラムです。ヘルスツーリズム認証とは、安心安全なヘルスケアサービスを提供している証とされています。専門のガイドが同行し、アドバイスも受けられるため、心身の健康への意識を高められる旅になるでしょう。健康ながゆ旅長野県「なべくら高原・森の家」なべくら高原・森の家では、ブナ林のなかで森林ヨガを体験できます。森林ヨガプログラムは、5月〜10月に開催されており、インストラクターもつくため初心者でも参加可能です。木漏れ日の降り注ぐ自然のなかで呼吸をすると、心身ともに癒されることでしょう。なべくら高原・森の家新潟県「農家民宿もりやま」農家民宿もりやまは、田植え体験や野菜の収穫などを体験できます。農業体験のほか、新潟コシヒカリの美味しいお米や、地元の魚を使った料理を味わうことができます。子どもをつれて家族で行くのもよいですが、1人での参加も可能。田舎暮らしに興味のある人は、1度体験してみるのもよいかもしれません。農家民宿もりやまニューツーリズムでの体験はウェルビーイングが向上する今回紹介した以外にも「アニメツーリズム」「酒蔵ツーリズム」など、より細かくテーマを特定した旅も数多くあります。そのことからも、旅行者が旅に求める体験や感動には多様性があることがわかります。しかし全てにおいて共通するのは、ニューツーリズムでの体験は、私たちのウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に満たされている状態)を向上することにつながるということではないでしょうか。※9 ※10興味のある方は、ぜひこの機会に自分のライフスタイルを実現する旅を、体験してみてください。★MiCORAYピックアップ★・ヘルスツーリ日本ヘルスツーリズム振興機構・美しきしまねのリトリート旅 2023 | 国際医橋株式会社・ウェルネス・ツアー・HIS エコツアー 国内・海外・グリーンツーリズム|STAY JAPAN参考資料※1 ニュー・ツーリズム研究|厚生労働省※2 日本ヘルスツーリズム振興機構※3 地域が稼ぐ観光|大羽昭仁※4 世界ウェルネス機構(GWI)※5 エコツーリズムとは|環境省※6 コスタリカ旅行・ツアー|ユーラシア旅行社 (eurasia.co.jp)※7 グリーンツーリズム定義|農林水産省※8 若者の地方移住への関心について|株式会社エンリージョン※9 アニメツーリズム※10 酒蔵ツーリズム