女性にとって妊娠や出産は、人生の大きな転機です。喜びも大きい反面、不安や体調の変化などの、精神的・身体的なマイナートラブルもあるでしょう。妊娠や出産後のマイナートラブルについてと、その対処法をみていきます。妊娠後のマイナートラブル妊娠後はホルモンの変化などから、さまざまな不調が現れます。それぞれみてみましょう。精神的マイナートラブル妊娠によるホルモンの変化で、情緒が不安定になり、感情の起伏が激しくなったり、落ち込みやすくなったりします。さらに妊娠後の不安によるストレスも、情緒が不安定になる要因です。例えば下記のような心配事が考えられます。・胎児の発育の心配・流産、早産や死産の心配・出産することへの恐れ・パートナーとの関係性・キャリアの心配身体的マイナートラブル妊娠後は、妊娠周期に応じたマイナートラブルがおこることがあります。妊娠周期別にみてみましょう。・妊娠初期(1ヵ月~4カ月)つわり、異常な眠気、だるさ、疲れやすさ、便秘・妊娠中期(5ヶ月~7ヵ月)貧血(動悸、息切れ)、むくみ、お腹の締め付け感、皮膚の乾燥、便秘・妊娠後期(8カ月~10ヵ月)貧血(動悸、息切れ)、むくみ、便秘、腰痛、頻尿、不眠、こむら返り(足のつり)、胸やけ妊娠後マイナートラブルの対処法精神的・身体的マイナートラブルの、それぞれの対処法をみてみましょう。精神的マイナートラブルの対処法イライラしてしまうときは深呼吸をして、リラックスできる方法を考えましょう。ストレス状態のとき、ママの身体は交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、緊張状態になり呼吸が浅くなるため、胎児への酸素の供給が減ってしまいます。なるべく休息をとり、マタニティヨガなどの軽い運動や、好きな音楽を聞くなどもおすすめです。また、心配事はひとりでため込まずに、パートナーや妊婦検診で話すとよいでしょう。身体的マイナートラブルの対処法代表的な身体的マイナートラブルは、つわり、むくみ、便秘、貧血です。それぞれ原因と対処法をみていきます。つわりつわりの原因は、はっきりとは解明されていませんが、ホルモンやミネラルバランスが影響していると考えられています。つわりはつらいですが、必ずおわりがくることを知っておきましょう。個人差がありますが、つわりは長くても16週ころには治まります。つわりが長引いて食事が食べられず体重が減る場合は、妊娠悪阻(おそ)の可能性があるため、医師に早めに相談しましょう。つわりの間は食べられるものを食べるようにします。たとえば100%オレンジジュースなどの柑橘系、お味噌汁やスープなどの温かい飲み物、レモンをしぼるなどした炭酸水、そのほか、ゼリー飲料などを持ち歩いて、食べられるときに食べるとよいでしょう。むくみ血液量の増加や、子宮が大きくなることで足の血管が圧迫され、血流が不足することでむくみがおこります。立ちっぱなしを避け、座っているときもなるべく足を上げておくとよいでしょう。締め付ける下着は避け、着圧ソックスの着用や、むくみの原因となる塩分を排出させるため、カリウムを含む食べ物を摂るのもおすすめです。(果物、野菜など)便秘妊娠を維持するために必要なホルモンの、プロゲステロンによって腸の動きが鈍くなるため、便秘になりやすくなります。とくに妊娠中期以降はプロゲステロンの量も増えるため、便秘の頻度もあがります。便秘予防には、水溶性の食物繊維を摂るとよいでしょう。水溶性の食物繊維には便をやわらかくする効果があります。(おくら、わかめ、昆布、こんにゃく、ひじきなど)また、発酵食品(ヨーグルト、味噌汁、納豆など)も腸内環境を整えるのにおすすめです。貧血妊婦は血液量が妊娠前の約1.5倍になり、血液の必要量が増えるため、貧血になりやすいです。貧血予防には、サプリや食事から、鉄分や葉酸を摂るとよいでしょう。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、吸収が良いのがヘム鉄です。ヘム鉄はおもに鶏レバー、豚レバー、赤身肉、しじみ、あさり、かつおなどに含まれます。ここで注意したいのは、レバーにはビタミンAが多いため、摂りすぎると胎児の奇形などが心配されます。鶏や豚レバーは週に1~2回、30g程度を目安にしましょう。(参考:日本産婦人科学会)鉄分を摂るときには、鉄の吸収率を上げるために、ビタミンCや動物性たんぱく質、クエン酸などを含む食材(果物、お肉、乳製品、卵など)を同時に食べるようにしましょう。出産後のマイナートラブル出産後は、エストロゲンやプロゲステロンが急降下します。ホルモンの変化も起因して、約3割のママがマタニティブルーを経験するといわれています。また、出産による身体的なダメージも多いため、様々な症状がでます。精神的マイナートラブル出産後の精神的なマイナートラブルは、マタニティブルーズや、産後うつです。マタニティブルーズは出産後3~5日に起こることが多く、通常は1-2週間で治まります。もし2週間以上気分の落ち込みが続く場合は、産後うつの可能性があります。頻回な授乳・おむつ交換や、夜泣きなどで寝不足になり、症状が悪化することもあるでしょう。また、育児への不安がストレスになることもあります。出産後は、下記のような心配事があげられます。・赤ちゃんの命を守っていくプレッシャー・母親になり役割の変化・社会からの孤立・生活リズムの変化・母乳が足りているのか心配身体的マイナートラブル出産後の身体的マイナートラブルは、子宮復古(しきゅうふっこ)のための子宮の痛み、会陰切開や帝王切開後の疼痛、悪露(おろ)、抜け毛、便秘や痔、腰痛、肌荒れなどです。また、母乳トラブル、夜泣きに対する睡眠不足などもあるでしょう。出産後マイナートラブルの対処法出産後の精神的・身体的マイナートラブルの対処法をそれぞれみていきます。精神的マイナートラブルの対処法出産後はホルモンの変化で気持ちが落ち込みやすくなることを、あらかじめ知っておくとよいでしょう。また、焦ったりがんばりすぎたりしないことも大事な対処法といえます。赤ちゃんと2人きりで社会と孤立してしまう場合には、自治体の子育て支援サービスなどを利用し、他の親子との交流をするとよい気分転換になります。身体的マイナートラブルの対処法出産後6~8週間を産褥期といい、その間は無理せず過ごすことが大切です。赤ちゃんと一緒に昼寝をするなどし、眠れるときに休息をとりましょう。また、事前にパートナーと家事や育児の分担を決めておくとよいでしょう。ほかにも家事代行サービスや、宅配サービスなどをうまく利用するのも、負担の軽減になります。まとめ赤ちゃんと一緒に成長していく妊娠や出産で、精神的・身体的なマイナートラブルもありますが、赤ちゃんからもらえる喜びはそれ以上の価値があるでしょう。紹介した対処法をうまく利用して、マイナートラブルを乗り越えられると幸いです。出産後は「母親」という新たな役割が生まれます。「母親にならなきゃ」とがんばりすぎずに、赤ちゃんと一緒に、少しずつ母親として成長していくことがよいのではないでしょうか。★MiCORAYピックアップ★10moisfor herANGELIEBE湘南コンシェル