最近、理由のないイライラや不安、焦り、疲労感を感じる人はいませんか?もしこれらに当てはまる方がいたら、それは睡眠不足のサインかもしれません。充実した毎日をおくるには、質の良い睡眠をとることが不可欠。とくに女性はPMS(月経前症候群)の影響により、ホルモンバランスが乱れやすいため、睡眠の質に満足できない方も少なくないはず※1。そこで本記事では、睡眠不足が心身に与える影響や、良い睡眠をとるための簡単なポイントを紹介しています。少し意識するだけでも、睡眠の質の改善が期待できるので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。睡眠の役割とは人間は毎日どれくらい寝ているのでしょうか?調査によると、睡眠の平均時間はおよそ8時間とされ、1日24時間のうちの3分の1を睡眠に費やしています。つまり睡眠は、食事などと同じく、私たち人間にとって重要な活動の1つです。また、睡眠には大脳を休める「ノンレム睡眠」と夢を見る浅い睡眠「レム睡眠」が約90分間隔で繰り返され、寝ている間に心身の働きを調整する役割をしています。睡眠のおもな役割は次の5つです。・記憶を整理し、覚えた出来事を定着させる・脳を休ませる・疲労回復・傷ついた身体の修復や成長を促す・病気への抵抗力をつける(免疫力の上昇)これだけ見ても、睡眠がいかに大切かがわかりますね。睡眠の問題を抱える人は意外に多い一方で、睡眠に問題を抱えている人は意外に多いようです。厚生労働省が行った「令和3年度健康実態調査結果の報告」※2では、日本人の平均睡眠時間が報告されています。1日の平均睡眠時間6〜7時間未満が34.7%5〜6時間未満が23.9%7〜8時間未満が15.9%人により適切な睡眠時間は異なるものの、全体の58.6%が7時間未満であることがわかりました。また同調査の「睡眠が取れている度合い」を見ると、睡眠にはさまざまな問題があるようです。※3「夜間、睡眠中に目が覚めて困った」・・・44.6%「日中眠気を感じた」・・・37.2%「睡眠の質に満足できなかった」・・・34.7%これらのことから、睡眠は身近な問題であることがわかります。睡眠の質が悪いとどうなるの?では、睡眠不足や睡眠の質が低下するとどのような問題が起るのでしょうか。日本人、とくに子供やビジネスパーソンの睡眠時間は、世界でもっとも短いと言われています。※4なかでも女性は家事や育児の負担が大きいため、慢性的な睡眠不足となる傾向にあるようです。睡眠不足が続くと、生活習慣病などにつながるため、意識して良い睡眠をとることが重要です。たとえば、睡眠不足による代表的な症状に以下のものがあります。不眠症睡眠不足が招く代表的な症状が不眠症です。不眠症の症状はおもに3つあります。寝つきが悪くなる「入眠困難」途中で目が覚める「中途覚醒」朝早く目覚めてしまう「早期覚醒」これらが慢性的に続くと、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などのリスクが上がることが報告されています。睡眠時無呼吸症候群文字通り睡眠時に一時的に呼吸が止まる疾病です。男性がかかるイメージがありますが、女性にも起きる症状です。睡眠時無呼吸症候群が続くと、交感神経の緊張や酸化ストレスによる炎症を招き、高血圧、心不全、脳血管に障害が起きやすくなると言われています※5。自律神経にも影響慢性的な睡眠不足は、自律神経の機能にも悪影響を及ぼします。自律神経が乱れると、注意力の散漫や集中力の低下、疲労感などを招くため、思わぬ事故やミスを起こす可能性も。その他、食欲の上昇や疲れやすさなど、睡眠不足はさまざまな問題の引き金になっています。質の良い睡眠をとるポイント5つここでは、質の良い睡眠をとるポイントを5つ紹介します。一般に「質の良い睡眠」の条件は次の3つです。・寝つきが良いこと・睡眠が深いこと・スッキリと目覚めが良いことこれらを目指して、ぜひ睡眠の改善に取り組んでみてください。朝、カーテンや窓を開けて光を浴びる人間には、約25時間で刻まれる体内時計が備わっています。そのため、この体内時計が乱れると睡眠のリズムが乱れる原因にも。この乱れを整えるには朝日を浴びることが大切です。朝日を浴びると脳内に神経伝達物質「セロトニン」が作られます。「セロトニン」は睡眠を促すホルモン「メラトニン」の材料となるため※6、このサイクルを正常にするために、朝日を浴びるのがおすすめです。太陽が出ていなくても効果があるそうなので、くもりや雨の日でも、積極的に窓やカーテンを開ける習慣を。夕食と入浴は眠る2〜3時間前にベットに入る2〜3時間前までに夕飯と入浴をすませておきましょう。胃の中に食べ物が残ったまま寝ると消化活動が優先されるため、内臓が休まりません。また、入浴直後は交感神経が優位な状態にあるため、寝つきの悪さにつながります。人間の身体は、体温が低くなると眠気を感じ始めるので、できれば眠る2〜3時間前までにお風呂に入り、徐々に体温を下げると眠りに入りやすくなります。お風呂に入る際には、38度くらいのぬるめの温度がベスト。5分から15分くらいを目安に、ゆっくりと体を温めてください。お風呂上がりに白湯やしょうが湯、カモミールティーといった温かい飲み物を飲んで、体を内側から温めるのも効果的。飲んでからしばらくすると体温が下がり、眠気が促されるので、緩やかに眠る準備を整えてくれます。アロマオイルでリラックスアロマオイルで寝室を心地よい睡眠空間にするのも良いでしょう。現在では、医療機関でも不眠ケアとしてアロマオイルが用いられているようです※7。おすすめは、緊張やストレスを和らげるラベンダー、リフレッシュ効果のあるベルガモット、不安を抑え安心感が増すサンダルウッドです。それ以外にも「刻んだ玉ねぎ」を部屋に置くのも効果的だとか。値段もリーズナブルなものが多いため、試したことのない方はぜひ試してみてください。良質な食事で体の中から改善朝食をしっかり摂り、良質なタンパク質を意識した夕食を摂るよう心がけましょう。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」によると、睡眠と覚醒リズムが不規則な人には「朝食を食べない人」の割合が多く、その分、昼食と夕食の摂取量が多いというデータが報告されています※8。食事は何よりもバランスが大切。ドカ食いや、かたよった食事はひかえ、納豆、味噌、豆腐などの大豆製品や、肉や魚などの良質なタンパク質を意識的に摂るようにしましょう。タンパク質に含まれるアミノ酸「トリプトファン」は、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変わるため、睡眠を適度に促してくれます※9。また、女性はホルモンバランスを崩しやすいため、女性ホルモン「エストロゲン」に似た成分を積極的に摂取することがおすすめ。エストロゲンは肌のハリやツヤを保つ上でも大切な役割をしており、エストロゲンと似た働きをする成分にイソフラボンがあります。イソフラボンは納豆や豆腐などの大豆製品に多く含まれているので、意識して摂取するようにしてみてください。また、ナッツ類、キャベツ、海藻類にはエストロゲンの分泌を促すボロンが含まれています。適量の範囲内で食生活に取り入れれば、効果アップが期待できます。寝室の雰囲気や寝具選びも大切質の良い睡眠を得るためには、寝室の雰囲気や寝具選びも大切です。落ち着ける空間でなければ、睡眠の質にも影響が出ることも。そのため、寝室の温度や湿度、騒音などにも注意を払ってみてください。気持ちよく寝れる室温は16度〜19度とされ、50%程度の湿度が最適と言われています。リラックスできる雰囲気作りも、快適な睡眠にとって重要です。また、普段使用している枕やベッドなどの寝具にもこだわりたいところ。自分の身体にあっていない寝具を使っていると、安眠の妨げになる場合があります。朝起きて首や肩のコリを感じる場合は、自分にあった寝具を選ぶのも大切です。個人差はありますが、一般に、ベッドマットや敷布団と首の角度は、約5度が最適と言われています※10。もし寝具があわないと感じていたら、専門店でチェックするのも良いでしょう。心地良い睡眠で、心も身体もリセット今回は睡眠が心と身体に及ぼす影響について解説しました。睡眠不足を放っておくと、意外な落とし穴があることをご理解いただけたと思います。もし少しでもご自身に当てはまる部分があれば、今回紹介した改善ポイントを試してみてください。健康な毎日は質の良い睡眠から。朝はスッキリ目覚めて、ステキな毎日をすごしたいですね。★MiCORAY ピックアップ★睡眠グッズ眠りの専門店 市田商店 公式オンラインショップGoosely西川チェーン 布団や寝具、快眠グッズ専門通販サイト上越紺太オンラインショップPRIMA CASA参考文献※1 厚生労働省e-ヘルスネット女性の睡眠障害※2・3厚生労働省令和3年度健康実態調査結果の報告※4・5 厚生労働省e-ヘルスネット睡眠と生活習慣病の深い関係※6・9山梨県厚生連「トリプトファン」を摂ってしあわせホルモン「セロトニン」を増やそう※7順天堂大学救命救急センターにおける不眠ケアとしてアロマオイルを用いた足浴の有効性※8 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」※10厚生労働省e-ヘルスネット快眠のためのテクニック-よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係