自分の意識とは無関係についつい出てしまうもの、それが「癖」。「なくて七癖」と言われるように、日頃の癖は自分ではなかなか気付きにくいものです。なかでも、日常生活で気をつけたい癖に「口癖」があります。ポジティブな口癖であれば、周りや自分にプラスに働きますが、ネガティブな口癖を習慣的に言ってしまう人は注意が必要かもしれません。そこで本記事では「良い口癖」と「悪い口癖」の例や対処法を解説します。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてみてください。良い口癖とは?良い口癖とは、周囲の人や自分にもポジティブに作用する口癖のことを言います。「大丈夫」「なんとかなる」「ありがとう」などの言葉は、相手を尊重し良い印象を与えますよね。意識的に使えば、家庭や職場での人間関係もスムーズになり、コミュニケーションも活発になるので、積極的に使ってみましょう。ありがとう良い口癖として真っ先にあげられるのが「ありがとう」でしょう。私たちは、毎日を何気なく過ごしていますが、その日常は「当たり前」ではありません。電気やガスが使えるのも、電車が時間通りに到着したり、美味しい食事が食べられるのも、どれも「誰かや、何か」のおかげです。ささいなことでも構わないので、「ありがとう」という心と気持ちを伝えるようにしましょう。「ありがとう」と言われて不快感を示す人は少ないでしょうし、また感謝の気持ちは自分の心もポジティブにします。なお、意識的に「○○をしてくれて」ありがとう。と何に対しての感謝なのかを明確にすると、より言われた人と言った人にとって認識が同じになり幸福度が高まると言われています。面白そう仕事や日々の雑事に追われると、心に余裕がなくなることは誰しもあるでしょう。しかし仕事やタスクは待ってはくれません。そこでつい頭をよぎるのが「めんどくさい」という言葉です。しかしそんな時こそ、あえて「面白そう!」と言ってみてください。そうすると、難しそうな課題や状況でも、物事をポジティブに解釈でき、問題解決の糸口も見つけやすくなります。日頃から「面白そう」を口癖にしていると、何事も面白く解釈するのが人間です。運が良い!人間は良いことが起きたときにだけ「運が良い」と考えがちです。しかし本当にそうでしょうか?そもそも本来は、この瞬間に生きていられるだけでも「相当運が良い」はずです。また、物事の捉え方は必ずしも1つではありません。同じことが起きても、ある人はまったく気にせず、ある人は愚痴や不平不満を言う人もいます。たとえマイナスな出来事が起きたとしても、「この程度で済んだのだから、運がいい」「最悪の結果にならず、運が良かった」と言ってみましょう。また「運が良い」を口癖にしていると、小さな幸せに気付きやすくなります。しょうがない、まぁいっかどんなに頑張っても、自分の力では解決できないことが起こるのも人生。自分の能力不足が原因だったり、タイミングの問題だったり、要因はさまざまです。しかし考えてみてください。自分の欲しいものがすべて手に入り、思い通りに行く人はいません。ときには挫折し、悔しい思いをしながら生きるのが人生です。思い通りに行かないからといって、愚痴ばかり言うのも考えもの。そういうときは、「しょうがない」や「まぁいっか」など、自分の心をリセットする言葉を意識して使ってみてください。なんとかなる!みなさんのまわりにも「なんとかなる」が口癖の人はいませんか?そんな人の周りにはいつも人が集まり、頼られる存在だと思います。というのも、「なんとかなる」には人を安心させる効果があるからです。たとえば、・将来の不安・お金に対する不安・病気の不安など、不安の原因はキリがありません。しかし辛いことがあったとしても、「なんとかなってきたから」今を生きているのであり、これからもなんとかなるはずです。「なんとかなる」を口癖にすると、気持ちが前向きになり、問題にも冷静に対処できるようになるため、問題解決の糸口やアイディアが湧きやすくなります。悪い口癖とは?良い口癖とは対照的に悪い口癖もあります。悪い口癖とは、相手に悪い印象を与え、周囲の人に違和感や不快感を与える口癖です。習慣的に使っていると、相手だけでなく自分にも悪影響がでるおそれがあります。また、場合によっては心が疲れているサインの可能性もあるので、意識して改善してみましょう。以下では、悪い口癖の例を紹介します。どうせ〜なんて、どうせ〜だから「どうせ私お金ないし」「どうせ相手にされないから」などの「どうせ〜」が口癖になっていませんか?これは、やらない理由や、できない理由を自分から積極的に探している状態です。「どうせ」が口癖の人は、過去の失敗が原因で自信を無くした方に多くみられます。たしかに過去の失敗はツライものだったかもしれません。しかし「どうせ〜だから」を口癖にしていると、大切なチャンスを逃すことになりかねません。でも、だってもはや悪い口癖の代表ともいえる「でも」や「だって」。この2つはとくに思い当たる方も多いのではないでしょうか。仲の良い友人どうしで使う場合であれば、それほど気にならないかもしれませんしかしそうでない場合、相手は否定されたと感じ、また言い訳にも聞こえます。「でも」「だって」によって反発を招くことも考えられます。忙しい家事や仕事で追われる毎日を送っている方の中には、つい「忙しい」と口に出してしまう方もいるかもしれません。たしかに「忙しい」と言えば、その場の面倒から逃げられますが、忙しいのは誰しも同じです。また「忙しい」が口癖になると、やがて「あの人に頼んでも仕方ない」や「いつもそっけない」という誤解を生む原因にもなります。周囲の人が離れてしまう前に「忙しい」が口癖になっていないか、確認してみましょう。できない「できない」も悪い口癖に数えられます。誰にでも「できること」と「できないこと」があるのは事実。しかし「できない」が口癖になっている人は、心の中で「逃げ癖」がついている可能性があるので、心当たりのある方は気にしてみてください。新しいことをするときには、「できない」と言う前に「本当にできないのか」を自問自答して、「とりあえずやってみる」の精神で取り組んでみましょう。あまりに「できない」を連発していると、「あの人に頼んでも・・・」と誰からも声がかからなくなる可能性もあります。すみません謝罪の意味で使われる「すみません」も悪い口癖の1つ。「日本人なら普通では?」と思う方もいると思います。日本文化は謙遜の文化であり、奥ゆかしさを大切にするため、すべてが悪いとは言いません。しかし、悪いことをしていないのに、あまりに「すみません」を使いすぎるのも良くありません。というのも、不必要な謝罪は、自尊心を傷つけることにつながり、ときには「謝ったのはそちらのはず」と利用される場合もあるからです。口癖は脳にも影響を与えるここまで「良い口癖」と「悪い口癖」について、具体例を用いながら解説しました。じつは、言葉の力は私たちが思っている以上に日常生活に影響を与えており、心理学や脳科学の分野でもさかんに研究されています。以下では、言葉の力について簡単に解説します。プラシーボ効果の驚くべき効果※1みなさんは心理学における「プラシーボ効果」という言葉をご存じでしょうか。「プラシーボ」とは医療の分野で使われる「偽のくすり」のことです。ある研究で、患者を2つのグループに分け、一方には効果が期待される薬を投与し、もう一方には効果がないサプリメント(ブドウ糖や乳糖)を投与しました。ただし、サプリメントを投与した患者には「このクスリは効果がある」と言葉を加えて与えます。普通は、サプリメントが投与された患者には、効果が期待できないと考えるかもしれません。しかし多くの研究者の予想に反し、ただのサプリメントを投与された患者にも病気改善がみられました。悪い口癖を良い口癖に変えるための4つのポイントこのように、普段私たちが何気なく使っている言葉には、想像以上の力があることがおわかりいただけたと思います。では、口癖を変えるにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは口癖を変えるための簡単な4つのポイントを紹介します。・思ったことをすぐに口に出さずに、言い方を考える・心の中で生まれるネガティブワードはなるべく発さない・相手の立場や聞いている人の気持ちを考えてから言葉にする・家族や仲の良い友人に自分の口癖を聞いて自覚する口癖は心の状態や考え方が反映されており、無意識に発してしまうものです。そのため、これらのことを意識しながら「少しずつ」意識的に改善するよう心がけてみてください。たとえば、「すみません」から「ありがとうございます」に変えるだけでも、相手に伝わる印象が変わりますし、「でも、だって」を「わかりました。私の考えでは〜です」に変えれば会話が建設的になります。小さなことからで良いので、少しずつ変えてみましょう。悪い口癖に気がつき、良い口癖に変えてみよう今回の記事にはドキッとさせられた方も多いのではないでしょうか?日頃、何気なく使っている口癖が、相手に悪い印象を与えることも少なくありません。今回紹介した良い口癖を意識して使うことで、あなたの印象はこれまでよりもさらにアップするはずです。口癖は日頃の習慣によるものが多いですが、少し意識するだけで改善できます。今回の記事を参考に、ご自身の口癖を見直して、今まで以上にステキに輝いてください。本記事が、みなさんのより良い生活に役立つことを願っています。※1 公益財団法人日本薬学会プラシーボhttps://www.pharm.or.jp/words/post-26.html参考HPマイナビウーマンあなたの印象を悪くする口癖5選&悪い口癖を直す方法Smartlog【診断】口癖でわかる15の心理や性格|良い口癖と改善すべき悪い口癖とは?STUDYHACKERいつまでも「幸せを感じられない人」の悪い口癖3つ。脳は”あの言葉”の影響を受けていた