2023年に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)において、日本を悲願の優勝へと導いたメジャーリーガー・大谷翔平選手。MiCORAY読者の方の中にも、その劇的な優勝劇に感動を覚えた方も多いのではないでしょうか。大谷選手は、ピッチャーとバッターの「二刀流」において目覚ましい成績を残しており、野球の本場アメリカでも日本が誇るスーパースターとして連日注目を集めています。そんな大谷選手ですが、彼の人気を支えているのはプレーだけではなく、マウンドでの紳士的な態度や、目標に向かい真摯に取り組むその姿にあります。そこで本記事では、スーパースター大谷翔平選手が実際に行っていた目標設定の方法と、人生観について紹介します。大谷翔平選手の経歴大谷選手のメジャーでの活躍はニュースなどで連日報道されていますが、経歴についてはあまりよく知らない方もいらっしゃると思います。そのような方のために、大谷選手の簡単なプロフィールを見てみましょう。大谷翔平選手は1994年、岩手県水沢市に生まれました。小学3年生から野球を始め、野球の名門花巻東高校へ進学。恵まれた体格と努力により高校野球にも出場し、高校3年生のときにアマチュア投手としては初の160キロをマークしました。その後2013年からプロ野球チーム・日本ハムファイターズからドラフト1位指名を受け、「二刀流」として注目を集めます。シーズン1年目は好成績を残せなかったものの、2年目からは本領を発揮。オールスターにも選ばれ、投手として162キロを計測しファンを喜ばせました。2018年からアメリカ・メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスと契約を交わし、移籍以降、数々の偉業を成し遂げます。2022年にはベーブルース以来史上2人目となる、1シーズンで2桁勝利と2桁ホームランを達成。偉大な野球選手の記録を塗り替えました。大谷選手のここがスゴイ!大谷選手の凄さをもう少し見てみましょう。日本ハムファイターズ入団から5年後の2018年にメジャーリーグに挑戦。入団1年目の開幕戦で初ヒットを放ち、投手として初登板したその日に初勝利を成し遂げます。プロ野球選手の場合、通常の投手なら155キロを投げれば豪速球、バッターであれば年間30〜40本のホームランを打てば一流選手と見なされます。ところが大谷選手はアメリカ・メジャーリーグにおいて平均球速が160キロ、最高球速165キロを記録し、バッターとしても1シーズンで40本以上のホームランを放つなど、ホームラン王の座を争う活躍ぶりです。2023年に開催された第5回ワールド・ベースボール・クラシックでは投手部門と指名打者部門においてオールWBCチームにも選出されました。決勝戦前の円陣では音頭をとり、「憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」という名言は記憶に新しいですね。大谷選手から学ぶ目標設定方法そんな日米の野球界で活躍中の大谷選手が高校時代に行っていたのが、目標達成シートです。このシートは経営コンサルティング会社の代表・松村寧雄氏により考案されたもので、アイディアや達成目標を言語化し、やるべきことを明確にする上で非常に有効です。この目標達成シートは9×9の計81マスで構成され、別名「マンダラチャート」とも呼ばれています。マンダラチャートの書き方はとても簡単です。最初に3×3の9マスを準備し、中央に将来の達成目標や夢を書きます。そして決めた目標の周囲に必要となる心構えやトレーニング、自分の弱点などを書き、さらに周囲8つの項目を満たす要素を8つずつ書いていきます。大谷選手の場合は、最初のマス中央に書かれている「8球団からドラフト1位指名」が最終目標です。参照:Sponichi Annexご興味のある方は上記リンクから大谷選手直筆の目標達成シートをご覧ください。中央の目標周囲に書かれている項目が達成に必要な要素で、図では以下のことが記されています。・コントロール・キレ・スピード160キロ・変化球・運・人間性・メンタル・体づくりさらにここから、8つの項目を達成するために必要な要素が8つずつ書かれています。たとえば、「運」の項目を達成するには、「ゴミ拾い」や「審判さんへの態度」、「道具を大切に使う」といった、人やものに対する心構えが書かれているのがわかります。大谷選手に限らず、この目標シートは紙とペンさえあれば誰でもできますので、目標が定まっていない方に特におすすめの方法です。ポイントは今の自分より少し高い目標を設定すること目標達成シートを作成する上で大切なのは、現時点で努力が必要な項目を書くこと。そうすることで「自分がやるべきこと」や「不足している性質」が明確になり、行動に移しやすくなります。もちろん、一度に達成できなくても大丈夫です。「それぞれの項目を達成するにはどうしたら良いのか」ということを意識しながら取り組んでみてください。達成までの道筋は人それぞれですので、自分のペースで目標に近づくよう努力してみましょう。大谷選手の人間性にも注目プレーヤーとしての成績はもちろんのこと、大谷選手の礼儀正しさや謙虚さにも注目が集まっています。メジャーリーグでは相手にボールを当てても(デッドボール)、謝らないのが一般的。というのも、謝った瞬間に当てた側が非を認めたことになるからです。しかし大谷選手は違います。どんな選手にも礼を持って接し、その姿はときに審判までも和ませるシーンも。つねに紳士的な大谷選手の対応について、地元エンゼルスの放送局「バリースポーツ・ウエスト」は、公式twitterに「野球界でもっとも礼儀正しいスーパースター」と題した動画投稿し、気遣いのある謙虚な選手として賞賛しています。家事や仕事に追われる日本人がもっとも取り戻さければならない心構えは、大谷選手が見せる謙虚さや気遣いなのかもしれません。ウェルビーイングな生き方とは、周囲の人との関係あってこそ成り立つもの。つねに相手への思いやりや謙虚さを持ちながら、ウェルビーイングを高めることを意識してみましょう。逆境にも折れないメンタル作りイメージ図大谷選手ほどの人物でも、やはり逆境に苦しむ時期はあります。たとえば、最終的に大活躍に終わった2021年のシーズンでも、1カ月の打率が1割代と低迷する時期がありました。そんな時期はさすがの大谷選手も辛く悔しい思いをしたそうです。しかし不調なときであっても、スランプに悩むのではなく「良い状態にするにはどうすべきか」をまず考えることが大事だと大谷選手は言います。また、常に理想の自分をイメージし、スランプの状態からチャレンジするし続けることを心がけているとのこと。人は何かに失敗したり物事がうまくいかない場合、つい人をせめてしまいがちです。その気持ちもよくわかりますが、そんな時こそ一度立ち止まって「どうしたら次はうまくいくか」というポジティブなマインドを意識しましょう。失敗から学ぶことで次の挑戦が始まります。「やれるかやれないかでなく、自分次第」大谷選手は常にこの言葉を胸に、試合に臨んでいるそうです。何が必要なのかを常に考え続けることが大切今回はメジャーリーガー大谷翔平選手から学ぶ、目標設定と人生観について解説しました。もちろん、大谷選手のような偉大な功績を残せるのは一握りの人だけです。しかしその生き方や人生観、逆境に対する心構えからは学べる部分が多いのではないでしょうか。誰にでも、人生で苦しい時や行き詰まりを感じることは間違いなく訪れます。そして中には、自分の運命に絶望することもあるかもしれません。もしそのような境遇に出会ったら、大谷選手の次のセリフを思い出してみてください。「周りからは失敗に見えることでも、僕からしたら前へ進むための段階という場合があります。決して、後ろに下がっているわけではない」いま現在、苦しい立場や状況にいらっしゃる方がいましたら、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。