最近、何かに熱中したり没頭した経験はありますか?仕事や家事で忙しい毎日を送っていると、自分が本当にやりたいことをおろそかにしたり、後回しにしたりすることも少なくありません。たとえ好きなことに熱中していても、つい別のことが気になり、集中できずに時間だけがすぎてしまったという経験は誰しもあるはずです。しかしせっかくなら、仕事もプライベートも充実させて、質の高いウェルビーイングな毎日を送りたいですよね。そこで本記事では、集中力を高める方法や環境づくりについてわかりやすく解説します。日々の生活の参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください。集中力とは物事に熱中したり、没頭したりするのに欠かせないのが集中力。仕事や家事を効率的にこなすためにも、どれだけ集中力を維持して取り組めるかが大切です。集中力とは一般に、「ある物事に意識を集中させる力」を指します。勉強や仕事、スポーツや楽器演奏など、多くの場面で求められる要素ですが、持続するにはテクニックや環境を整えることが不可欠です。集中力はそれほど持続しない「なかなか集中力が続かない」とお悩みの方も多いはず。しかし安心してください。人間の集中力はそもそも継続するのが難しく、プロのアスリートでさえ集中力を高めるのに苦労するほどです。集中力についてはさまざまな研究が行われており、一般に大人の集中力の持続時間は50分程度と言われています※1。しかし50分といっても、継続して保たれるのではなく、15分程度の集中の波を周期的に繰り返しているそうです。「集中力が続かない」や「物事に没頭できない」とネガティブに考えず、「そもそも集中力を持続するのは難しい」と楽観的に考えると、気持ちが軽くなるかもしれません。熱中・没頭するためのテクニック集中し続けるのは難しいとはいったものの、何かに熱中したり没頭したりするためには集中力が重要です。集中力を継続する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な方法を2つ紹介します。どちらも簡単にできますので、仕事やプライベートで取り入れてみてください。1.ポモドーロ・テクニック近年注目されている集中方法に「ポモドーロ・テクニック」があります。このテクニックは作業を25分ごとに区切り、時間がきたら5分休憩する時間管理法です。25分は短いと思われるかもしれませんが、上述したように集中力はそれほど長続きしません。このテクニックは、短いサイクルを繰り返すことで集中力が維持され、生産性も高まるため、仕事だけではなく家事や勉強などに集中したいときにも応用できる手法です。ポモドーロの由来は、イタリア人の考案者フランチェスコ・シリロが使っていた、トマト型のタイマーから名付けられました(「ポモドーロ」はイタリア語でトマトの意味)。2.フォーカル・ポイント気が散りそうなときに有効な手法が「フォーカル・ポイント」です。日本語では「注目の的」と訳されています。おもにスポーツ心理学で用いられるテクニックですが、日常生活にも応用でき、やり方も簡単です。集中できないと気がついたときに、一点を見つめて1から5までの数字をカウントしたり、「今、今、今」などの言葉を繰り返します。そうすると頭が切り替えられ、再び集中力を取り戻せます。見つめる対象はどんなものでも構いませんが、一点であることに注意してください。集中力を高める環境づくり職場であれ自宅であれ、作業に没頭・熱中するには集中力を高める環境づくりが大切です。もしいつも気が散ってしまうのなら、それは作業環境の影響かもしれません。以下では、集中するための環境づくりのポイントを6つ紹介します。1.質の良い睡眠をとる集中力を発揮するには、クリアな脳の働きが重要です。そのためには、良質な睡眠が欠かせません。良質な睡眠とは、・昼夜がはっきりしていること・朝は気持ちよく目覚められること・熟睡感があることなどが挙げられます※2。寝る前のスマートフォンやパソコンの使用はできるだけ控え、熟睡できる環境づくりを意識してください。2.マルチタスクをしない仕事や家事に追われると、人間はどうしても同時進行で物事を処理しがちです。しかし残念なことに、人間はマルチタスクが得意ではありません。そのため、作業を切り替えるたびに集中力が途切れてしまいます。業務や作業に集中したい場合は、できるだけ周囲に状況を伝えて、シングルタスクを心がけましょう。普段から「あれもこれも」で頭がいっぱいになる方は、マルチタスクになっていないか、1度確認すると良いかもしれません。3.スマートフォンから距離をおく集中力を途切れさせる大きな要因が、スマートフォンです。スマートフォンは便利な反面、ついSNSや動画サイトを見てしまったり、ゲームをしたりするなど、誘惑が多いツールでもあります。仕事や業務を効率よくスムーズに終わらせたい場合は、スマートフォンは手元におかず、距離をおくことをおすすめします。4.自然の音を聴く集中できる環境づくりには、BGMも有効です。BGMや環境音は集中力の維持に大きく影響しており、現在もさまざまな研究が行われています。京都大学が行った実験によると、会話や騒音は集中力を妨げる一方、まったくの無音も集中力を軽減させることが示唆されています※3。ビジネスシーンでは難しいかもしれませんが、日常生活に自然音や作業用BGMを取り入れることで、集中力アップが期待できそうです。5.デスク周りを片付ける職場のデスクや自宅の机が散らかっている方は、集中しづらい環境にあるかもしれません。というのも、物が散らかった状態にあると、人は圧迫感を感じるため、集中力が欠ける傾向にあることが指摘されています※4。そのため、デスクや机周りが散らかっている方は、できるだけ空間の確保を意識してみましょう。また、デスクに物を置く場合は「定位置を決める」ことで散らからずにすみます。6.香りを利用する集中力の維持には、香りの効果も有効かもしれません。なかでも、・イランイラン・ペパーミント・レモングラスなどのアロマには、集中力を高める効果が期待できます。また、ペパーミントとオレンジスイートの香りが、計算ミスを減少させたという実験データも報告されています※5。さらに、コーヒーの香りが集中度を向上させることが解明されたため、適量を守ってコーヒーを飲むことも集中力の維持に効果的です※6。食べ物で集中力を回復集中力を高めるには、普段の食生活も大切。というのも、栄養バランスの悪い食事は心身に悪影響を与え、本来のパフォーマンスを低下させることにもつながりかねません。以下では、おもに脳の働きに作用する食材を紹介しています。どれも手軽に買える食材なので、ぜひ参考にしてください。1.ナッツ類集中力や思考力を高めるには、ナッツ類がおすすめ。くるみやアーモンド、ピスタチオといったナッツ類には、脳の働きを活性化させる「α-リノレン酸」が豊富に含まれるほか、ストレスに有効なノルアドレナリンの材料となる「チロシン」がやる気を向上させてくれます。2.レシチンが多く含まれる食材を取る「レシチン」は体内で脂肪とたんぱく質を結びつける働きをしており、情報伝達や記憶の保存にも関わる重要な物質です※7。レシチンは卵黄やイカ、サバ、大豆などに豊富に含まれていますので、積極的に摂取してみましょう。3.ラムネを食べる疲れたときに甘いものを食べたくなるのは、脳疲労を起こしている証拠。もし疲れたなと感じたら、2〜3粒のラムネを食べるのがおすすめです。また、ラムネは脳の唯一の栄養源であるブドウ糖を原料にしており※8、手軽に食べられるという利点もあります。快適な環境づくりのために今回は、熱中・没頭するための簡単なテクニックと環境づくりについて紹介しました。どれもやり方は簡単なので、この記事を読んだその日から試すことができます。集中力を持続させる方法は他にもたくさんありますが、まずはご自身にあう方法を探すことも大切です。そのときの基準は、なんといっても「心地よさ」自分の感覚をフル活用して、全集中で好きなことに熱中してみましょう!参考資料※1 サントリーウエルネスOnline※2 公益財団法人長寿科学振興財団※3 京都大学 音環境が知的集中に与える影響の実験検討p7※4 一般社団法人日本産業カウンセラー協会※5 公益社団法人日本アロマ環境協会※6 日本健康心理学会※7 厚生労働省e-ヘルスネット リン脂質※8 厚生労働省e-ヘルスネット ブドウ糖