「本番になるとどうもいつもの力が発揮できない・・・」「練習ではうまくいっていたのに、思ったような成果がでない」こうしたことでお悩みの方も多いのではないでしょうか。思ったようなパフォーマンスが発揮できないのは、いわゆる「プレッシャーに弱い」ことが原因です。とはいえ、わかっていてもなかなか改善できないのが、難しいところ。そこで本記事では、プレッシャーに弱い人の特徴や乗り越え方を解説します。どれも簡単にできるテクニックなので、ぜひ最後まで読んで実践してみてください。そもそもプレッシャーとは?仕事やスポーツといった、成果を出さなくてはならない場面で必ず耳にするのが、プレッシャーという言葉です。読者の方の中にも、プレゼンや楽器の演奏会などで過度に緊張してしまい、満足のいく結果を出せなかった方もいるのではないでしょうか。プレッシャーとは英語の「pressure」に由来し、「圧力」を意味します。日常的には、心理的負荷を表す言葉として使われていますが、例えば「高気圧」なども「high pressure」と表記されます。プレッシャーという用語が心理学で登場し始めたのは、1980年代。アメリカの社会心理学者ロイ・バウマイスターが「心理的重圧」を表す概念として用いたのが最初です。プレッシャーは特別な状況でのみ発生するものではなく、日常生活でも生じます。とらえ方によってプラスにもマイナスにも働くため、適切に対処すれば、より良いパフォーマンスが期待できるでしょう。プレッシャーとストレスの違いプレッシャーと似た言葉にストレスがあります。一般にストレスとは、自分の外側から来る要因によって生じる、精神的・身体的緊張を指します。そのため、プレッシャーという圧力によって生じる「心身への影響」がストレスと捉えると理解しやすいかもしれません。例えば、上司からいつも口うるさく注意されるケースを考えてみましょう。この場合、「上司から注意されるのではないか」という圧力がプレッシャーにあたります。そして、プレッシャーから生じる声の震えや緊張、発汗などの心身の反応がストレスです。また、「他人からほめられたい」や「マイナスな印象を与えたくない」、「周囲の期待に応えたい」という思いが影響すると、プレッシャーが高まる傾向にあります。プレッシャー自体はプラスでもマイナスでもなくフラットであるここまで聞くと、プレッシャーをネガティブに考える方が多いと思います。しかし実は、プレッシャーはプラスでもマイナスでもなく、常にフラットです。大切なことは、プレッシャーの「解釈の仕方」にあります。プレゼンを控えたビジネスパーソンが「うまくいかなかったらどうしよう・・・」というマイナスなとらえ方をすると、プレッシャーはマイナスに作用します。一方、某国民的アニメの主人公のように「海賊王に俺はなる!!」という宣言は、自分に対する強烈なプレッシャーです。しかし、強烈であるがゆえに、計り知れない力を発揮させるモチベーションとして作用しています。このように、プレッシャーはプラスにもマイナスにも働きます。そのため、本来の力を発揮するためには、プレッシャーとの付き合い方が鍵と言えるでしょう。プレッシャーに敏感な人の特徴「プレッシャーに弱くて、いつも本番で力を発揮できない・・・」「練習ではうまくできるのに・・・」という方は意外に多いと思います。経験を重ねれば、次第に慣れていくものですが、それでもいち早く克服したいと思うもの。以下では、プレッシャーに敏感な人の特徴を解説します。ご自身に当てはまる項目があれば、普段から意識すると改善が早まるでしょう。1.心配しすぎる心配性な人はプレッシャーを感じやすい傾向にあります。「失敗したらどうしよう」「思っていた成果を達成できるだろうか」と必要以上に心配する人は、自分を無意識に追いつめてしまうため、些細な失敗に過敏に反応します。とくに過去に失敗体験がある場合は、トラウマ体験として記憶に定着しているため、プレッシャーを感じやすくなってしまいます。2.人よりも責任感が強いプレッシャーを強く感じる人の中には、責任感が強い人が多いようです。「自分がなんとかしなくては」「周りの期待を裏切りたくない」と強く考えるため、それに比例してプレッシャーも高まります。責任感が強いことは、社会を生きていく上で大切なことです。しかし時には、周囲の人に頼る「依頼心も必要」と割り切ってみましょう。自分1人で抱え込める課題には、限界があることにも目を向けてみてください。3.完璧主義であるプレッシャーに敏感な人の特徴3つ目に、完璧主義であることが挙げられます。一般に、完璧主義な人は自分に厳しい傾向にあるようです。完璧主義であるがゆえに、できる自分よりも、できない自分にフォーカスしやすく、その分プレッシャーを敏感に感じとります。4.周りの目を気にしすぎる周りの目を気にしすぎる人も、プレッシャーを感じやすいようです。小さな失敗についても「バカにされるのではないか」「笑われたらどうしよう」とつい考えてしまう人はいませんか?このような人は、何事もマイナスに考える傾向にあるため、プレッシャーが強くでる傾向にあります。また、周りの目を気にしすぎるのは、「自己肯定感の低さ」の表れとも言えるでしょう。そのため、「自分らしさ」や「自分なりの考え」を持つことが大切です。5.成功体験の少なさプレッシャーに弱いのは、過去の成功体験の少なさが原因かもしれません。「また次も失敗するのではないか」「きっと悪い結果になる」などと、起きていない結果に対してネガティブに想像するため、自分を必要以上に追い込んでしまうことも考えられます。成功とは、失敗しながら達成するものです。1度の失敗で諦めてしまったら、未来の成功体験も逃してしまいます。プレッシャーの乗り越え方5選では、プレッシャーを乗り越えるにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは、今日からできる簡単アクションを5つ紹介します。1.周囲に助けを求めるプレッシャーに弱い人は、何事も自分だけで解決しようとします。そのため、周りに頼ったり助けを求めたりするのが苦手です。「プレッシャーを感じそうだな」という場面に遭遇したら、遠慮せず周りに頼ってみましょう。その際には「自分1人は難しそうなので、手伝ってくれない?」など、素直にお願いしてみても良いかもしれません。人に頼り慣れていない人にとっては少しハードルが高いですが、仲間に頼ることで、新しいチームワークにつながる場合もあります。2.失敗は「悪」ではないと知るプレッシャーに弱い人は、失敗することを過剰に恐れる傾向にあります。しかし、失敗は悪いことでしょうか。どんな成功も、失敗の積み重ねにより達成されたものです。世の中で失敗を経験しなかった人は1人もいません。失敗したときは、「次への成長の1歩」と考えると、自然にプレッシャーにも強くなり、むしろエネルギーに変えることもできるはずです。3.プレッシャーを感じことを紙に書き出すプレッシャーの対処法には、言語化も有効です。自分がどんな時にプレッシャーを感じたのかを紙に書き出してみましょう。言語化することで自分を冷静に客観視でき、課題や感情の整理にもつながります。また文字として書き出すことで、あとから自分の成長を感じるため、「自分にもできた」という自信も生まれることでしょう。4.悪い事態をあらかじめシミュレーションする心配性をやめるといっても、現実的には難しいもの。その場合は、あらかじめ「最悪の状況をシミュレーションする」のも有効です。最悪の事態を想定することで、実際に失敗した時のダメージの軽減にもつながります。想定したことと実際に起きたことを客観的に比較できるため、現実を冷静にとらえる訓練にもなります。5.大きなプレッシャーがかかるのは、能力が高い証拠マイアミ大学のシアン・バイロック博士が行った実験により、「能力が高い人の方がプレッシャーに弱い傾向にある」ことが判明しました。プレッシャーの強い状況で数学の問題を解かせた場合、普通の学生よりも、頭が良い学生の方が低い点数をマークしたそうです。これは能力が高い人ほど「結果を出さなくてはいけない」と考え、普段のパフォーマンスを発揮できないことを示しています。大事な場面でパフォーマンスを発揮できずに悩んでいる方は、「自分の能力が高い」ことをもう一度自覚して、自己肯定感を高めることを意識してください。プレッシャーを上手に活用して、ウェルビーイングを高めようプレッシャーは、多かれ少なかれ誰しもが体験するものです。付き合い方によって、日々の活動に大きなメリットをもたらしてくれます。どんなことにプレッシャーを感じるかは人それぞれ異なりますが、今回の記事を参考に、プレッシャーと上手に付き合うことを心がけてみてください。きっと毎日のウェルビーイングも向上すると思いますよ!★MiCORAYピックアップ★・株式会社ワークハピネス・株式会社アドバンテッジリスクマネジメント(ウェルビーイングな働き方を推奨)・一般社団法人日本メンタルトレーナー協会・ハイパフォーマンススポーツセンター(スポーツ関連)・HRpro(ビジネス関連)参考資料DirectCommunication プレッシャーの意味とはグロービス経営大学院 仕事でプレッシャーを感じやすい人の特徴と克服していく方法asana 仕事に押しつぶされそうになったときの対処法DMM WEBCAMP 仕事のプレッシャーがつらいときの対処法【10選】重圧に打ち勝つための秘策とはマイナビAGENT プレッシャーを感じる場面は?プレッシャーを感じやすい人の特徴克服方DIAMONDonline なぜ、大事な場面で「プレッシャー」を感じてしまうのか?看護師と患者のためのストレスケア ストレスを溜めやすい人の特徴