社会人にとって仕事は日々の生活の中心となるものです。毎日、仕事に向かい頑張っているうちに貯まる疲れやストレス。「仕事がいやだな」「仕事に行きたくない」そう思うことも多くの人が経験しているのではないでしょうか。少しでもより前向きに働き続けるためのヒントとして、誰もが知る海外生まれの大手企業3社Google、IKEA、Starbucksが行なっているウェルビーイングな取り組みをご紹介します。企業における「ウェルビーイング」とはウェルビーイングとは、人が身体も心も健康的で、社会の一員としても満たされた状態のことです。短期的に感じる楽しさや幸せではなく、持続的に長く幸せを感じられることを指します。ウェルビーイングを感じる上で大切となってくるのは「自分らしさ」を大切にすることです。人は皆、それぞれの「自分らしさ」や幸せの形を持っているので、企業が従業員のウェルビーイングの向上を目指すと、おのずと多様性を受け入れた環境づくりが必要となってきます。このような環境づくりを行なっている会社の経営を「ウェルビーイング経営」ともよび、ポストSDGsとして注目され初めています。働き手と企業にとってのメリットウェルビーイングな取り組みは働き手にとって下記のようなメリットがあると考えられます。一つの企業で安心して働き続けることができる多様な働き方が可能になるので、自分自身の興味やライフステージの変化に合わせて長く働き続けることができます。心身共に健康的ウェルビーイングであるためには健康が大切です。もちろん、病気や怪我を完全に防ぐことはできません。ですが、自分の心身の状態に目をむける機会があること、その状態に合わせた働き方をすることで病気の予防に繋がります。仕事にやりがいや自己成長を感じることができる会社がそれぞれの従業員の声を聞く姿勢を作っているため、やりたいと発信した業務にチャレンジしやすい環境があります。では、企業がウェルビーイング経営をするメリットはどこにあるのでしょうか?離職する従業員が減り、求める人材が集まりやすくなる多様な働き方ができる会社になることで、働き続けたい、働きたいと希望する人が増え、求める人材の確保がしやすくなります。生産性の向上従業員の心身が健康であることや業務へのモチベーションが高いことで、パフォーマンスのいい仕事ができる状態になります。海外生まれの企業のウェルビーイングな取り組み事例3選それでは、海外生まれの企業の具体的な取り組みを見ていきましょう。ご自分の今いる環境と比べるより、今の自分に取り入れられるポイントを探すような視点でご一読ください。Google言わずと知れた、アメリカのIT大手企業です。さまざまなウェルビーイングな取り組みを行なっている企業ですが、代表的なものをご紹介します。・心理的安全性の高い環境作り心理的安全性とは、非難を恐れずに安心して発言や行動ができる状態を言います。部下が上司に愚痴に近い話ができるような環境がGoogleの特徴です。必要な人とのコミュニケーションをこまめに、フランクに行う文化が対人関係の不安感を少なくしています。・ピアボーナスピアは仲間内、ボーナスは報酬という意味。社内で感謝の言葉を伝え、仕事の評価にもつながる社内ポイントを社員同士で送りあう制度です。仕事をして「ありがとう」と伝えあえたら気持ちがいいですね。仕事のモチベーションも上がります。・20%ルール業務時間の20%を自分の関心があるプロジェクトに当てることができるというルール。Gmailもこの制度の中から生まれたといわれています。・心身の健康管理を積極的にサポート社内のカフェテリアは全て無料。健康的に食事が楽しめるよう、専門チームが工夫しています。料理を学べるプログラムもあるとか。他にもトレーニングルームやヨガのできるスペースが社内にあり、瞑想を取り入れることを積極的に勧めるなど心身の健康を積極的にサポートする体制があります。IKEAスウェーデン発祥、世界中で愛されている家具メーカー、IKEA。おしゃれでコスパの高い家具や日用品と買い物が楽しくなる店内が特徴です。IKEAの経営の中で大切にされているキャッチフレーズがあります。それは、“WE BELIEVE IN PEOPLE”(IKEAは人の力を信じています)です。下線部分出典:https://hatarakigai.info/tip/survey/20180712_102.html信じているからこそ、活かすためにひとりひとりを尊重して従業員がのびのびと働ける環境を作ってきた会社。従業員同士が率直な意見を交わし、失敗を恐れずチャレンジできる社風があります。Google同様、心理的安全性の高い環境があるようです。さらに、IKEAには「より快適な毎日を、より多くの方々に」というビジョンがあります。ビジョンの実現のために従業員自身が快適な毎日を過ごし、自分を大切にケアできるようサポートしています。下記がその一例です。・従業員むけのメンタルヘルスに関するトレーニングの実施・ヨガやマインドフルネスに関する従業員向けイベントの開催・不安や心配事があるときに上司に悩みを相談できる環境の整備(マネジメントする立場の従業員が、悩みを聞くことのトレーニングを受けるなど)・有給休暇の積極的な取得の推奨Starbucksこちらも誰もが知るアメリカ生まれのカフェを中心とした大手企業です。店員さんがいきいきと働く姿をみて、憧れを抱いたことのある方もいるのではないでしょうか?店員さんのいきいきとした姿には秘密があります。それは、接客マニュアルが無いということ。接客マニュアル無しで店員さんはどのように動いているのかというと、Starbucksのバリューを軸に自分で考え、責任を持って行動しているのです。採用の際にミッションやバリューに共感できるかを重視し、採用後もバリューに基づいた充実した研修を受けることができます。そのミッションとバリューは下記をご覧ください。(以下、ミッションとバリュー引用 バリューは一部のみ抜粋 出典:https://starbucks-job.jp/jobfind-pc/ミッション人々の心を豊かで活力あるものにするために──ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティからバリュー・私たちは、パートナー(従業員のこと)、コーヒー、お客様を中心とし、Valuesを日々体現します。・お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。・勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。スターバックスと私たちの成長のために。・私たちは、人間らしさを大切にしながら、成長し続けます。バリューを実現させるにはどうすればいいか、自分事として考え、能動的に動くことでいいサービスをお客様に提供できるようになります。また、お客様に喜んでもらえた成功体験は、仕事の充実感に繋がります。また、多様性を積極的に受け入れ、全ての従業員の成長を全力で応援する文化があります。能動的な仕事から得られた、成功体験と自分の成長への期待感がStarbaucksの店員さんの輝く表情の秘密といえるでしょう。よりよく働き続けるために海外生まれの3社のウェルビーイングな取り組みをご紹介してきました。ご自身でもできることは見つかりましたか?筆者個人としては、下記のことを取り入れてみようかと思いました。・仕事相手とのまめなコミュニケーション・積極的に感謝を伝える・健康的な食事・休みを取る・日々の運動・メンタルヘルスを学ぶ・マインドフルネスの時間を作る・自分自身の人間らしさを大切に、やりたいことや成長のために時間を投資当サイト、MiCORAYの中でも上記の内容を深める記事がございます。例えば下記の記事をご参考にどうぞ。● 生理痛、肌荒れ、イライラ改善?食の「引き算」でもっと素敵な毎日へ● ウォーキングはメンタルヘルスに効果大!1日20分でストレスに強い体に!● スキルアップによって変わる自己肯定感(資格取得や教育支援)より、充実した仕事時間を過ごせるよう、少しでもお役に立てたら幸いです。参考資料ピョートル・フェリークス・グジバチ『Google流疲れない働き方』(2018年3月) SBクリエイティブ株式会社ピョートル・フェリークス・グジバチ『ゼロから“イチ”を生み出せる!がんばらない働き方』(2019年1月)株式会社青春出版社藤田康人 インテグレートウェルビーイングプロジェクト『ウェルビーイングビジネスの教科書』(2022年9月)株式会社アスコムPASONANECソリューションズイノベーターIKEA東洋経済ONLINEGreat Place To Work日経BPPRESIDENT WOMAN