「ワーケーション」という言葉を最近、耳にする方も多いのではないでしょうか?ワーケーションとは、「ワーク(=work)」と「バケーション(=vacation)」の造語です。日常とはなれ、旅行先、リフレッシュ地、帰省先などで余暇を楽しみながら働くスタイル。ワーケーションにより、仕事の生産性や心身の健康を高めることができるとして、近年注目を集めています。ワーケーションには、休暇を活用して観光やレジャーを楽しみながら仕事も行うタイプや、帰省先で親戚や家族との時間を持ちながら合間に仕事をするタイプ、出張などの業務に休暇をあわせるなどの仕事に重きをおいたタイプなど、さまざまなタイプのものがあります。多くのタイプのワーケーションがあるなかで、地域の課題の解決の糸口をワーケーションによってみつけようという地域課題解決型ワーケーション「梅収穫ワーケーション」というプロジェクトが2022年から実施されています。本記事では、梅収穫ワーケーションプロジェクトについて、実際に体験した方へのインタビューを交えて内容と魅力にせまります。梅収穫ワーケーションとは「梅収穫ワーケーション」とは、その名のとおり、梅の収穫ピークに梅農家さんへ行き、収穫作業をするワーケーションです。舞台は、日本一の梅の産地であり、世界農業遺産認定地域でもある和歌山県みなべ町。みなべ町の基幹産業である梅農家は人口減少や高齢化にともない、人材不足、後継者不足といった問題を抱えています。その解決の糸口をみつけようと「世界農業遺産活性化プロジェクト」として、一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会の代表理事でもある島田由香氏が2022年に立ち上げました。地域に行きその地域に宿泊。朝起きたら、農家さんへと出向き作業をする。農家の方々や他のワーケーションにきているメンバーと協力しながら梅の収穫を行っていきます。「収穫体験」「お手伝い」というものとはちがいます。農家の方々が行うのと同じ、リアルな農家の仕事です。一見するときつくて大変そうな梅収穫ワーケーション。しかし、参加者の方々の間では、「感動した」「幸福度があがった」「感謝の気持ちがわいてきた」と、満足の声がぞくぞくと上がっているそうです。さらには、参加者だけでなく、地域の農家の方の幸福度にも変化があったと言います。2023年度にも実施された梅収穫ワーケーション。初年度から比べ、参加される梅農家の方も増えて今後の広がりが楽しみなワーケーションとなっています。「梅収穫ワーケーション|PCWJapan梅ワーケーションの魅力インタビュー今回、2023年に実際に梅収穫ワーケーションに参加した方へお話をうかがうことができました。お話くださったのは、ウェルビーイングを広げる活動をされている大竹美也子さん。ストレングスやマインドフルネス、ポジティブ心理学などの学びを活かして、魅力開放コーチとしても活躍されています。梅収穫ワーケーションに行こうと思ったきっかけ、具体的な内容や体験して感じたことなどお聞きしました。ーー今回、梅ワーケーションに参加しようと思ったきっかけは何ですか?梅ワーケーションはやりたいことがつまっていました。ワーケーションに行ってみたい、ちがう生活をしてみたい、農業遺産を守りたいということです。みなべ町の梅は何世代にもわたり伝承されてきた伝統的な農業である「農業遺産」と聞きました。その貴重な農業遺産が危機だそうです。日本の食卓から梅干しが消えるなんてありえない!と思って。去年参加した人に話を聞くと、みなさん口々に「ウェルビーイングが上がった」と言っていました。これは絶対行きたいと思い今年の「夢リスト」に書きました。ーー「夢リスト」に書いて実行されたのですね。やりたいと思ってもなかなか実行にうつせないこともありますが、実行できたのは何ででしょうか?去年は子どもを置いていけないとか、夫や人に頼らないといけないなどと考えて行きたいと言えなかったんです。でも、出来ないと思っていることは、自分の思い込みかもしれないと思いました。思い込みは重いゴミってことかなと。(笑)今まで、人に頼ることをあまりしてこない自分がいました。人に頼られるとうれしいのに、自分は頼れなかったのです。でも、今回はまわりを信じて頼ることをしてみようと。願い事って自分だけでは叶えられないと思ったのです。ーー行くまでにもドラマがありますね。実際に行ってみてどんな内容でしたか?旅行者とかお客さんとして教えてくださいという感じではなく、農家の一員として、がっつり梅の収穫に入りました。集合場所から各梅農家さんに連れて行っていただくのですが、その時、町中が梅の香りがしました。嗅覚から幸せを感じました。収穫では梅を一生懸命拾います。没頭していくなかで、だんだん工夫もするようになりました。こうしたら拾いやすいとか、ひざをついた方がいいかなとか、自分の中でいろいろとやってみる。今、目の前にあることに集中していて、自然とマインドフルネスな状態でした。ーー梅の香りのなかでマインドフルネスはいいですね。農家の方との交流はありましたか?あります。農家のおばちゃんが昔、子どもは完熟した梅をおやつにしていたのよとか、戦後の子どもの頃の話をしてくれたり。受け入れる農家側も、農家の方が普段やっているきつい作業を、都会から来た人がニコニコしながら楽しそうに行っている姿をみて、最初は不思議だったそうです。ワーケーション参加者から梅の色のちがいや、使っている道具やネットの張り方、作業の意味などの質問がでます。すると、農家の方は答えてくれます。農家の方も、今まで自分たちが流れ作業でやっていたことを振り返ることで、作業の価値や意義を改めて感じ、幸福度が高まったと喜んでいらっしゃいました。ーーワーケーションに行った方だけじゃなく、農家の方も幸福度が高まっているのは目から鱗です。地域にとってもいいことだなと感じます。そうなんです。つながりができるというのは大きいです。地域の高齢化や人口減少が進んでいても、その地域とつながっている関係人口が増えることって重要だなと。なにかあったときに、助けたいと思う人が増えると災害管理にもすごく役立つと思います。ーー地域にとっても良いですし、助けたいと思う場所があることも嬉しいことですね。このワーケーションで得られたことはどんなことだと感じていますか?自然の中で身体を動かし、没頭して「しあわせ」と心から思いました。そして、願い事を叶えるきっかけになりました。自分のこれまでの行動パターンを変えるきっかけになったと思います。やりたいことを閉じ込めておかないで、言ってみる、やってみること。そして、人にお願いしてみること。そう思ってチャレンジできたことがよかったです。そして、感謝の気持ち、尊敬の気持ちが自然とわきました。梅収穫に多くの人が関わっているとは思っていたけれど、梅ひとつに本当に数えきれないほどの人の手が関わっているのだと驚愕しました。スーパーで売られている梅や、他のものを見ても、ここにくるまでのストーリーと人が存在するのだと、これまで以上に感謝を感じるようになりました。ーーやりたいと思って行動を起こし、チャレンジすることってすてきですね。私も何気なく食べている梅や他のものへの見方が変わりそうです。すてきなお話をありがとうございました。お話くださった美也子さんの表情から、ワーケーションによっていかにウェルビーイングが高まったか、そしてその後もウェルビーイングな状態が継続していることが伝わってきました。自然のなかで、五感をつかっておこなう梅収穫ワーケーション。身体を動かし、つながりや感謝もうまれることは、自分自身や周りのウェルビーイングに直結していきそうですね。まとめインタビューから、梅収穫ワーケーションは、実際にワーケーションを行っているときだけではなく、行くと決めたときから帰ってきたあとまで幸福感がつづくと感じました。日常とはなれた場所で行う「梅収穫ワーケーション」自分と向き合うこと、人に頼る力、実行力、今この瞬間を生きる体験、仲間や地域の人とのつながり、ものごとに対する感謝の気持ちetc……生きていくうえで大切なことに気づかせてもらえそうですね。ワーケーションにもいろいろな種類がありますが、このように地域に貢献するワーケーションは今後ますます注目されていくのではないでしょうか。日常とちがったワーケーションを通じて、どのようにつながりと感謝がうまれ、幸福度があがるか?!もし「気になる」と興味をもったら、一度体験してみるのもいいかもしれません。「梅収穫ワーケーション」お問合せはこちら▶「梅収穫ワーケーション2023」を5月より開催いたします | PCW Japanインタビュー:大竹美也子さんFacebook:我慢をやめた!魅力開放☆自由に楽しく豊かに生きるインスタ:https://www.instagram.com/miyako.coach/インタビュアー&ライター:ウェルビーイング応援コーチもも★MiCORAYピックアップ★・ワーケーションの宿泊先・地域が見つかる - ワーケーションズ (workation.app)・ワーケーション施設の検索&予約| Komforta Workation・ADDress【公式】| ワーケーション・二拠点生活・多拠点生活プラットフォーム・Wakayama Workation Project | WWP | 和歌山ワーケーションプロジェクト