日々の生活に取り入れると、心にも身体にもいいことづくめのハーブ。ハーブってなんだか敷居が高そう?いえいえ、ハーブは日常にもさまざまな形で、とても取り入れやすいものです。ハーブに彩られた暮らしは、日常を穏やかにも華やかにもしてくれます。本記事では、ハーブ講師でハーブティーショップ「うさぎ薬草」代表の高橋克弥(かつみ)さんにお話を伺いながら、ハーブの魅力や代表的なハーブのご紹介、もっとハーブを知りたい方へのおすすめをご紹介していきます。ハーブとはハーブ(herb)とは、「薬用、食用にする、香りのある植物」の総称です。語源は「草」という意味をもつ、ラテン語の「Herba(ヘルバ)」。昔から生活のあらゆる場面で活用されてきました。用途はさまざまです。純粋に香りを楽しむものや、料理や化粧品などへも多く使われます。さらに、メディカルハーブとして自然治癒力をアップさせ体質改善もサポートするハーブもあり、ハーブの魅力は多岐にわたります。ハーブの魅力ハーブを日常に取り入れて生活している方は、その魅力をどのように感じているのでしょうか。ハーブに魅了され、日本メディカルハーブ協会ハーバルプラクティショナーの資格をもつ克弥さんにお聞きしたところ「ハーブは心身を整えるのに必要不可欠なもの」とお答えいただきました。また、「健康と美、そして心と体は確かにつながっています。ハーブはそのどちらにも働きかけてくれます。」とのこと。さらに詳しくハーブの5つの魅力について、体験談とともにお聞きしました。1.五感が研ぎ澄まされる「ハーブとのふれあいは、五感が研ぎ澄まされるひととき。それは瞑想にも似ています。」ハーブは、「視、聴、味、触、嗅」の五つの感覚を体感できるものです。ローズのハーブティーをいただく時間を想像してみてください。鮮やかなローズの花びらをポットにいれ、美しくお湯の中でひらく様子。ポットからカップにティーがそそがれる音。華やかな香りをいっぱいに感じ、味わうひととき。普段、意識しない五感を感じることは、リラックス効果や幸福感アップにもつながります。2. 心が前向きに「ガラスポットの中で色とりどりの茶葉が躍る姿をボーッと眺めたり、立ち上がる香りに癒されたりしています。私の心の声を聴き、私を助けて元気づけてくれる、可愛いお花たちです。」ハーブはただ眺めているだけでも癒されるものです。ハーブの彩りや香りが気持ちを穏やかに元気にしてくれます。「忙しい毎日の中で自分のためにお茶を淹れることで、心に余裕が生まれます。自分に自信がなく家に閉じこもって鬱々としていた私が、体調が良くなって肌も髪も美しくなり、友達に会いたいと思うようになりました。」なんとなく心も落ち込むことは多かれ少なかれ誰しもあるのではないでしょうか。抑うつに効果のあるハーブも多くあります。ハーブは優しく心の不調を整えてくれるのです。3.日常にとりいれやすい「マグカップにお湯を張って好きなハーブを浮かべると香りが立ち上がります。香りには効能がありますから、それだけでも立派なハーブ療法。お湯を入れて5分待つだけで出来あがるハーブティーや、お料理にバジルを1枚のせる、お風呂にユズを浮かべるなど、簡単ひと手間で日常生活がちょっと素敵に早変わりします。気負わずにハーバルライフを楽しんでいただきたいです。」ハーブはさまざまな形で暮らしに寄り添います。お湯にハーブを浮かべるのは簡単に取り入れられるハーブ療法ですね。ハーブティーや料理はもちろん、乾燥させてお風呂に浮かべ香りを楽しむこともできます。防虫効果のあるハーブは、小さな布袋に入れサシェにしてタンスに入れるとおしゃれな防虫剤になります。さらに、ハーブから抽出された精油を利用してアロマテラピーとしてとりいれることもできますね。また、ハーブをお好みに合わせて、ドライフラワーとして部屋を彩ることもいいでしょう。このように、多様な形で気軽に生活に潤いと楽しみをプラスしてくれるのもハーブの大きな魅力のひとつです。4.身体の不調の軽減「ハーブを生活に取り入れ始めてから、病気とまではいかない小さな不調がいつの間にかすっかり消えました。」メディカルハーブ「薬草」としてのハーブの力は、とても奥深い世界。なんだか調子がわるい……というときに、身体を整えてくれるハーブがあります。ハーブの種類によって、効果はさまざまです。たとえば、欧米で「インフルエンザの特効薬」と呼ばれているエルダーフラワー。発汗作用や利尿作用に富み、抗アレルギー作用も発揮します。タイムの小さな花と葉には、呼吸器系の不調を改善する力が潜んでいます。不眠症には、ジャーマンカモミール、パッションフラワー、レモンバームも効果が知られています。他にもさまざまな身体の不調を和らげる作用が多くのハーブで確認されています。5.美容効果ハーブは美容にも効果的です。ダイエットや美肌・美髪が期待できるハーブも多くあります。自然の効果で身体にもやさしく美しさを引き出してくれるのが嬉しいですね。フェンネルは食べすぎ予防に効果的。食欲を抑え、消化もたすける効果があるので、ダイエットをサポートしてくれます。ハイビスカス、アルファルファ、クミスチンは余分な水分を排出し、むくみを解消します。マルベリーの葉は糖分の吸収をおさえてくれるので急激な血糖値上昇予防に効果的。また美容にうれしい美白効果や、鉄やカルシウム、亜鉛といったミネラルが豊富に含まれていることも報告されています。代表的なハーブとその効果ラベンダー乾燥したラベンダーの花穂を布袋につめればラベンダーサシェが簡単に出来ます。甘くフレッシュな香りで防虫効果もあるのでタンスに入れるのもおすすめです。枕元におけば安眠効果も。緊張や不安で眠れなかったり、イライラした気持ちのとき。ラベンダーのハーブティーを飲めば気持ちを落ち着ける効果もあります。ミントミントには多くの種類があります。代表的なものは、ペパーミントとスペアミント。清涼感のある爽やかな香りが特徴的です。いつでも収穫でき、生で利用できるすぐれもの。料理にも取り入れると華やかさも栄養もアップします。ハーブティーにして飲むと、すっきりと気分爽快に。消化促進効果もあり、食後にもぴったりです。温かいペパーミントティーは、身体を温める効果があり、清涼感ある香り成分が鼻づまりや鼻詰まりからくる頭痛、不快感などを和らげます。ローズマリーローズマリーは若返りのハーブとして有名です。全身の血行を促進し、消化器系や神経系の機能を活性化します。また、記憶力を高める効果もあるそうです。ロスマノール、カルノソールといった強力な抗酸化作用をもつ成分が含まれていますが、これらは水に溶けにくいので、葉をまるごと料理に入れて食べるのがおすすめです。レモングラスレモンの様な香りを漂わせ、タイ料理のトムヤムクンスープやベトナム料理などには必要不可欠なハーブ。食欲を増進し、消化器系の機能を高めます。レモングラスの精油には集中力、注意力を維持する効果があり、スポーツ選手のメンタルケアにも用いられているそう。気分と身体をシャキッと爽快にします。レモングラスを他のハーブとブレンドすることで、飲みやすくするというテクニックもあります。ローズローズは昔から人々を魅了する香りを持ち「愛と美の象徴」です。古代エジプト女王のクレオパトラが、他国の王を招くときはバラの花びらを宮殿に敷きつめ、その香りで誘惑したそうです。イライラしたときや、心を落ち着けたいときにローズティーをいただくと、気分がリフレッシュするでしょう。また、ローズの花弁にはタンニンが豊富。熱湯を用いて抽出液をつくれば、口内炎や口臭にきく、口内洗浄剤になります。ローズを料理やスイーツに使うと、華やかにドレスアップできます。ハーブをもっと知りたいあなたへ 参照 afternoon * tea time by うさぎ薬草ハーブの魅力や効果、いかがでしたか?ほんの少しだけでもハーブを生活にとりいれることで、日常に潤いとやすらぎを与えてくれそうです。ハーブの魅力をもっと知りたい、日常に取り入れるヒントが欲しいという方へ、今回、お話をお聞きした克弥さんのハーブ講座をご紹介します。全6回の植物療法講座は、「ハーブって何?」という超初心者さんが、基本のハーブや体のことを学びながら、自身や家族のためにハーブや精油を手軽に日常生活で使えるようになる講座です。講座内で出てくるものを中心にハーブがたっぷりご自宅に届きます。二層の美しいセパレートティーや軟膏などの実習が毎回あり、受講生さんたちにも大好評です。講座は少人数制で、きめこまやかに質問にも答えていただけます。日常に彩りを添えてくれるハーブ。1杯のハーブティーや、好きな香りに癒されて、ハーブをもっと知りたいと感じた方は、ぜひハーブの世界への扉をノックしてみてくださいね。 参照 afternoon * tea time by うさぎ薬草インタビュー:高橋克弥(ハーブ講座講師、ハーブティーショップ「うさぎ薬草」代表、日本メディカルハーブ協会 ハーバルプラクティショナー、日本フィトセラピー協会 ハーブティーソムリエ、健康包括支援協会 嗅覚反応分析士)インタビュアー&ライター:ウェルビーイング応援コーチ もも★MiCORAYピックアップ★・afternoon * tea time by うさぎ薬草|あしたのために こころとからだを整える・日本メディカルハーブ協会 – Japan Medical Herb Association・ハーブ専門店「enherb(エンハーブ)」・アロマ・ハーブ講座 | 生活の木 Herbal Life College・nahrin (ナリン) スイス生まれのナチュラルコスメ/ウェルネスブランド【参考書籍】・メディカルハーブ事典日本語版監修 日本メディカルハーブ協会発行 日経ナショナルジオグラフィック社メディカルハーブ事典 | 書籍 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)・カラダを元気にするハーブ&野菜著者 林真一郎、池田明子発行所 株式会社日東書院本社カラダを元気にするハーブ&野菜・赤毛のアンとハーブのある暮らし著者 竹田久美子発行所 株式会社BABジャパン赤毛のアンとハーブのある暮らし