就職する企業を選ぶ際に、福利厚生を重要視する人も多いのではないでしょうか。福利厚生とは、給与や賞与とは別に、企業が従業員やその家族に向けて提供する健康や生活へのサービスのことです。企業によってさまざまですが、健康診断や社員食堂、住宅手当も福利厚生の一環です。福利厚生は、国によって違いがあり、日本で当たり前にあるものが海外にはないこともあります。日本は多くの企業が同じ福利厚生を導入していることが多いですが、海外は企業によって大きく異なり、ユニークなものも多いそうですよ。近年、海外で働く日本人が増えていることもあり、海外で働くことへ憧れを持っている人も多いかもしれません。アメリカを中心に各国のユニークな福利厚生を紹介していきます。アメリカの福利厚生医療費日本では、すべての国民が国民健康保険や社会保険などの公的医療保険に加入することが義務づけられていますよね。毎月の保険料を支払うことで、事故にあったり、大きな病気をしてしまった場合でも、医療費の負担が軽減されます。アメリカでは、日本のような公的医療保険制度はありません。福利厚生の一環として、企業が医療保険に加入し、保険料を支払ってくれます。アメリカは医療費が高いイメージがあるかもしれませんが、医療費をサポートしてくれる企業に勤めれば安心ですね。医療費以外にも、死亡保険や所得補償保険に加入している企業もあります。死亡保険は年収の3倍を目安に契約されることが多いそうです。日本の国民健康保険に加入している人が亡くなった場合は、葬祭費として5〜7万円の支給がされます。その点で考えると、福利厚生に死亡保険があるアメリカ企業の方が手厚いとも言えるかもしれません。年金制度日本では、退職時にまとまったお金がもらえる退職金制度がある企業が多いですが、アメリカには退職金制度がありません。アメリカで退職金の代わりとなるのが、401kと呼ばれる確定拠出型の個人年金制度です。企業は、従業員の給与から天引きされた積立金を預かって運用し、積立金を増やしていきます。増やした積立金は、一定年齢に達した後に受け取ることができます。積立金を担保として、ローンを組むことも可能だそうですよ。日本にも401kがありますが、日本の場合は従業員の負担はなく、企業がお金を積み立てるので、アメリカとは拠出の方法が異なります。ウェルネス・プログラム日本では、企業に所属していると、健康診断や人間ドックを年に1度受診するのが一般的ですよね。アメリカでは、定期健診が義務化されていません。一般的な検診はありますが、日本の健康診断のように詳細な検査は行われず、簡易的なメニューであることがほとんどです。福利厚生に健康診断や人間ドックが含まれているケースはほとんどないそうです。従業員の健康のため、取り入れられているのが、ウェルネス・プログラムです。プログラムは、昼休みにヨガクラスを開いたり、毎月のジム代を負担するなど企業によってさまざまです。福利厚生として医療費を企業が負担しているため、企業の負担を減らすためにも、従業員の健康を維持したいという背景があります。自社株制度アメリカでは、自社の株を購入できる権利であるストックオプションを福利厚生として導入している企業が多くあります。日本にも、従業員持株制度を取り入れている企業がありますので、利用している人も多いかもしれません。アメリカでは、個人資産を形成する際に株式投資を選ぶ人が多いため、嬉しい福利厚生の1つと言えるでしょう。シエスタ制度シエスタ制度とは、昼休みの時間を通常よりも長くする制度のことを言います。通常であれば、お昼休憩は1時間であることがほとんどですが、シエスタ制度では2〜3時間に延長されます。お腹いっぱいランチを食べた後の午後からの仕事で眠くなってしまった経験はありませんか。シエスタ制度では、ランチの後にゆっくりと休憩を取ることで、眠気を解消して、仕事の生産性を高めることを目的としています。スペインなどの日照時間の長い国で行われている昼寝の習慣に由来していて、シエスタという言葉は、ラテン語で日の出から6時間後という意味だそうですよ。必ずしも昼寝をしないといけないわけではなく、ジムで運動をしたり、家族と過ごしたり、自由に過ごすことができます。アメリカでは、NASAやGoogleなどの大企業で採用されています。日本でも、三菱地所などシエスタ制度を導入する企業も増えてきているそうです。海外のユニークな福利厚生シンガポール テイクアウトフード手当テイクアウトフード手当は、従業員とその家族が食べるテイクアウトの食品サービスを提供する福利厚生のことです。シンガポールは共働き家庭が多いため、テイクアウトフード手当を利用することで、仕事が終わって食事を準備する時間を軽減することが可能です。日本も共働き家庭が多いので、ぜひ取り入れて欲しい福利厚生ですね。フランス チケ・レストランフランスでは、毎日のランチ用に支給されるレストランクーポンであるチケ・レストランという福利厚生が一般的です。クーポンの半額は企業が負担し、残りの半分は給与から天引きされます。クーポンの金額は企業によってさまざまですが、日本円で1,000円程度が平均的だそうです。1,000円のランチを500円で食べられると思ったら、ありがたいですよね。従業員の就業日数によって支給する枚数が決まります。チケ・レストランを利用できるレストランは多くあり、スーパーで食品を買うこともできるそうです。使用期限はありますが、必ずランチに使わないといけないわけではなく、貯めておいてプライベートで利用する人も多いそうですよ。ドイツ クリスマス手当日本では6月と12月の年2回、ボーナスを支給する企業が多いですよね。ドイツには、日本のようなボーナスはありませんが、12月にクリスマス手当が支給されます。企業によってさまざまですが、給与の1ヵ月分を支給されることが多いそうです。人口の約半数以上がキリスト教徒であるドイツならではの福利厚生かもしれませんね。インドネシア レバラン手当イスラム教徒が人口の約9割を占めるインドネシア。イスラム教では、ラマダンと呼ばれる1ヵ月間の断食が行われます。ラマダンが終わった後は、街全体がお祝いムードになり、断食明けの大祭であるレバランが行われます。レバランは、日本のお盆やお正月と似ていて、帰省ラッシュになるそうですよ。レバランの2日間は祝日となり、前後は有給休暇取得推奨日とされ、約1週間のレバラン休暇を取得する人が多いそうです。多くの企業では、レバラン休暇に入る前に、基本給1影程度のレバラン手当が支給されます。レバラン手当は、イスラム教以外の宗教を信仰している人やイスラム国籍ではない人であっても、インドネシアの企業で働いていれば支給されます。各国特有の福利厚生海外の福利厚生について紹介しましたが、いかがでしたか。国の制度や宗教など、その国ならではの福利厚生があることが分かりました。海外で働く日本人も増えていますが、日本で働く海外の方も増えてきています。今後、海外の方が日本に来たときに働きやすいと思えるような福利厚生が必要になってくるかもしれませんね。☆MiCORAYピックアップ☆・食の福利厚生 - チケットレストラン | 株式会社エデンレッドジャパン・Benefit Station・オフィスおかん・OFFICE DE YASAI・【サントリー公式|社長のおごり自販機】新たな福利厚生|広がり続けるコミュニケーション!エンゲージメントアップにも!?